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生物分子モーター科学特論

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令和2年度以降入学者 生物分子モーター科学特論
教員名 茶圓茂
単位数    2 課程 後期課程 開講区分 文理学部
科目群 相関理化学専攻
学期 後期 履修区分 選択必修
授業形態 対面授業
授業概要 細胞の中には、万を超える種類のタンパク分子があります。そのそれぞれが生命にとって重要な働きをしています。その中で、力を生み出し、自ら動き、または物を動かすタンパク分子の一群があります。これらのタンパク質は生物分子モーターと呼ばれています。この授業では、この生物分子モーターがどのような仕組みで働いているのかについて学びます。
授業のねらい・到達目標 ・生物分子モーターには大きく分けて直進分子モーターと 回転モーターがある。また直進分子モーターも繊維状タンパク質の上を「走る」分子と「歩く」分子がある。さらに回転モーターにも回転のエネルギーをATPの化学エネルギーから得ているものと、電気化学ポテンシャルから得ているものと様々である。その様々な生物分子モーターについて分子レベルでの働きを説明できるようになる。
・様々な分子モーターはどのように作動しているかを説明できるようになる。
・光学顕微鏡の分解能では見えないサイズの生物分子モーターの動きをどのような手法で観察するのかを説明できるようになる。
授業の形式 講義
授業の方法 授業実施日(12回)対面授業を行う。またCanvas LMS上の課題を解き、指定期日までに指定の様式で提出すること。Canvas LMSの掲示板機能を通して「質問」と「議論」の機会を提供する

対面授業に参加できない場合には以下のようにする。
(1)学期を通じて参加できない場合
・履修登録時に担当教員に連絡し,許可を得る。
・Canvas LMSを通じてオンデマンド型授業を受講する。受講方法(課題提出方法を含む)は
該当者がいた場合に,Canvas LMSを通じて連絡する。
(2)感染症に罹患するなどで一時的に対面授業に参加できない場合
・出来るだけ早く担当教員に連絡する。
・当該授業の内容は,Canvas LMSを通じてオンデマンド型授業を受講する。受講方法(課
題提出方法を含む)は該当者がいた場合に,Canvas LMSを通じて連絡する。
・成績評価にかかる「授業内試験」は,他の受講者とともに受験する。
履修条件 なし
授業計画
1 ATP合成酵素のサブユニットF1回転モーターについて
【事前学習】ATP合成酵素の構造と機能を学習しておく。 (2時間)
【事後学習】ATP合成酵素のサブユニットF1が回転モーターであることはどのようにわかったかを説明できるようにする。 (2時間)
【授業形態】対面授業
2 F1回転モーターのエネルギー変換効率について
【事前学習】エネルギー変換(化学エネルギーから力学エネルギーへの)効率について学習しておく。 (2時間)
【事後学習】F1回転モーターのエネルギー変換効率が100%に近いことはどのように推定されたかを説明できる。 (2時間)
【授業形態】対面授業
3 粘性液体中でナノサイズの生物分子モーターが動く物理
【事前学習】粘性液体中で物体に働く抵抗について学習しておく。 (2時間)
【事後学習】粘性液体中で物体に働く物理パラメータおよび関連する物理式を説明できる。 (2時間)
【授業形態】対面授業
4 バクテリアのべん毛モーター回転運動はATPのエネルギーを使わない
【事前学習】バクテリアのべん毛回転モーターの構造について学習しておく。 (2時間)
【事後学習】バクテリアのべん毛モーターが回転する原理を説明できる。 (2時間)
【授業形態】対面授業
5 自由エネルギーとは1:エネルギーとエントロピー
【事前学習】エネルギーとは何か?エントロピーとは何か?について学習しておく。 (2時間)
【事後学習】エネルギー, エントロピーについて説明できる。 (2時間)
【授業形態】対面授業
6 自由エネルギーとは2:自由エネルギーの概念
【事前学習】自由エネルギーとは何か?エネルギーとは違うのかについて学習しておく。 (2時間)
【事後学習】自由エネルギーの概念はどのように考え出されたのか?について説明できる。 (2時間)
【授業形態】対面授業
7 自由エネルギーとは3:化学ポテンシャルと電気化学ポテンシャル
【事前学習】ポテンシャルとは物理, 化学ではどういう意味に使われているか?学習しておく。 (2時間)
【事後学習】化学ポテンシャル, 電気化学ポテンシャルについて説明できる。 (2時間)
【授業形態】対面授業
8 電気化学ポテンシャルで説明できる、バクテリアべん毛モーター, 神経細胞の静止電位、pHメーター
【事前学習】第5回 バクテリアべん毛モーターの資料を復習しておく。 (2時間)
【事後学習】バクテリアべん毛モーター, 神経細胞の静止電位、pHメーターを電気化学ポテンシャルで説明できる。 (2時間)
【授業形態】対面授業
9 「走る」直進生物分子モーター, 筋ミオシンについて
【事前学習】筋肉の分子レベルでの構造について学習しておく。 (2時間)
【事後学習】筋ミオシンの分子レベルでの構造, アクチン, ATPとの反応サイクルについて説明できる。 (2時間)
【授業形態】対面授業
10 「歩く」直進生物分子モーター, 非筋ミオシン, キネシンについて
【事前学習】キネシンについて調べる。 (2時間)
【事後学習】「歩く」直進生物分子モーターの化学反応サイクルの特徴を説明できる。 (2時間)
【授業形態】対面授業
11 ナノサイズの微小なものを観察する方法
【事前学習】いろいろな顕微鏡の分解能について調べる。 (2時間)
【事後学習】走査型プローブ顕微鏡の原理を説明できる。 (2時間)
【授業形態】対面授業
12 熱運動が原動力?生物分子モーターの一方向運動を説明する「ある理論」
【事前学習】熱運動とは何か?調べる。 (2時間)
【事後学習】生物分子モーターの一方向性運動を熱運動から説明できる理論を理解する。 (2時間)
【授業形態】対面授業
13 『理解度の確認とまとめ1』
第1回~4回の内容について理解を深める。
【事前学習】第1回~4回の内容を復習しておく。 (2時間)
【事後学習】理解度の確認とまとめ1の課題研究のレポートを翌週提出すること。 (2時間)
【授業形態】課題研究
14 『理解度の確認とまとめ2』
第5回~8回の内容について理解を深める。
【事前学習】第5回~8回の内容を復習しておく。 (2時間)
【事後学習】理解度の確認とまとめ2の課題研究のレポートを翌週提出すること。 (2時間)
【授業形態】課題研究
15 『理解度の確認とまとめ3』(課題研究)
第9回~12回の内容について理解を深める。
【事前学習】第9回~12回の内容を復習しておく。 (2時間)
【事後学習】理解度の確認とまとめ3の課題研究のレポートを翌週提出すること。 (2時間)
その他
教科書 なし
参考書 授業時に適宜, 配布する。
成績評価の方法及び基準 レポート(40%)、授業参画度(60%)
レポート:3回の課題研究に対するレポーを提出してもらい、その点数を評価する。
授業参画度:オンデマンド教材の視聴状況と各回での小テストの回答状況を評価する。
オフィスアワー 本館6階生命科学科研究室 随時。

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