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令和4年度以降入学者 | 教育方法・ICT活用論 | ||||
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令和3年度以前入学者 | 教育の方法・技術論 | ||||
教員名 | 髙橋智 | ||||
単位数 | 2 | 学年 | 1~4 | 開講区分 | 文理学部 |
科目群 | コース科目 | ||||
学期 | 前期 | 履修区分 | 選択 |
授業形態 | 対面授業 |
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Canvas LMSコースID・コース名称 | 20234567 |
授業概要 | 本講義ではこれからの社会を担う子どもに求められる資質・能力を育成するために必要な「教育の方法・技術」「情報機器及び教材の活用」「ICT(遠隔教育・支援ロボット等を含む)を効果的に活用した学習指導や校務の推進のあり方」「情報活用能力(情報モラルを含む)を育成するための指導法」について学ぶ。あらゆる子どもが使用できる(ユニバーサルな)教育方法・技術・ICT活用の提供は、共に学んでいく(インクルーシブ)教育の前提条件になるとともに、ユニバーサルでインクルーシブな教育方法・技術・ICT活用の開発は、すべての子どもの学びの達成を大きく向上・発達させるものである。この講義では、ユニバーサルでインクルーシブな教育方法・技術・ICT活用のあり方について検討していく。なお、国の教育政策や学習指導指導要領・学校教育実践等において「共生社会に向けたインクルーシブ教育」の推進が強く求められているために、本講義においても随時、特別支援教育・インクルーシブ教育の動向に言及しながら進めていく。 |
授業のねらい・到達目標 | 授業のねらい:すべての子どもの学びの達成を大きく向上・発達させるユニバーサルでインクルーシブな教育方法・技術、ICT活用のあり方について考察する。 到達目標:仮説に基づく課題や問題を提示し,客観的な情報を基に,論理的・批判的に考察することの重要性を説明できる(A-6-3)。事象を注意深く観察して,解決すべき問題を認識できる(A-5-3)。 <ディプロマポリシーとの関係> この科目は文理学部(学士(教育学))のディプロマポリシーDP5,DP6及びカリキュラムポリシーCP5,CP6に対応している。 |
授業の形式 | 講義 |
授業の方法 | (1)授業の形式:講義 (2)具体的な授業方法 ①本講義は授業日にCanvasにて講義資料と課題を配布する。 ②各回の講義において課題をCanvasにて指示するので期限までにに提出する。課題提出をもって出席扱いとする。課題等についてはCanvasにてフィードバックする。 ③成績評価は14回分の課題提出(5点・14回:70点)と試験に替るレポート30点の合計100点により行う。なお、単位取得おいて14回分全ての課題提出と試験に替るレポート提出の双方が不可欠である。 ④対面授業に参加できない学生の代替方法・要件:急病等の緊急事態当によりやむなく対面授業に参加できない場合、Canvasに掲載している当該講義の資料等を学習して、期日までに課題を提出する。 |
授業計画 | |
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1 |
オリエンテーション、ユニバーサルでインクルーシブな教育方法・技術、ICT活用のあり方①:子どもの学びの前提としての「見る力(視力)」の基本的理解および「見る力(視力)」の困難について講義する。
【事前学習】Canvasから講義資料をダウンロードして予習する (2時間) 【事後学習】講義資料を復習しながら受講ノートの加筆修正を行い、 提示された課題に取り組む (2時間) 【授業形態】対面授業 |
2 |
ユニバーサルでインクルーシブな教育方法・技術、ICT活用のあり方②:見ることに困難のある子どもの教育、とくに視覚障害教育に焦点を当て、その取り組みにおけるユニバーサルでインクルーシブな教育の方法・技術、ICT活用のあり方について講義する。
【事前学習】Canvasから講義資料をダウンロードして予習する (2時間) 【事後学習】講義資料を復習しながら受講ノートの加筆修正を行い、 提示された課題に取り組む (2時間) 【授業形態】対面授業 |
3 |
ユニバーサルでインクルーシブな教育方法・技術、ICT活用のあり方のあり方③:子どもの「聞こえ・聴く力(聴力)」の仕組みと困難、とくに難聴・聴覚過敏・聞こえの困難(LiD/APD、LiD:Listening difficulties、APD :Auditory Processing Disorder)について講義する。
【事前学習】Canvasから講義資料をダウンロードして予習する (2時間) 【事後学習】講義資料を復習しながら受講ノートの加筆修正を行い、 提示された課題に取り組む (2時間) 【授業形態】対面授業 |
4 |
ユニバーサルでインクルーシブな教育方法・技術、ICT活用のあり方④:聴覚過敏を含めて多様な感覚上の困難を有する子どもへの支援方法として、 「センソリールーム」 「スヌーズレン」について講義する。こうした取り組みは、学校教育におけるユニバーサルでインクルーシブな教育の方法・技術、ICT活用の新たな視点になる。聴覚障害教育の方法・技術として「人工内耳」や「手話」「聴覚口話法」について講義をする。
【事前学習】Canvasから講義資料をダウンロードして予習する (2時間) 【事後学習】講義資料を復習しながら受講ノートの加筆修正を行い、 提示された課題に取り組む (2時間) 【授業形態】対面授業 |
5 |
ユニバーサルでインクルーシブな教育方法・技術、ICT活用のあり方⑤:子どもの「身体の動きにくさ・不器用さ、身体運動の困難」について、とくに「発達性協調運動障害(DCD =Developmental Coordination Disorder)」を中心に講義する。
【事前学習】Canvasから講義資料をダウンロードして予習する (2時間) 【事後学習】講義資料を復習しながら受講ノートの加筆修正を行い、 提示された課題に取り組む (2時間) 【授業形態】対面授業 |
6 |
ユニバーサルでインクルーシブな教育方法・技術、ICT活用のあり方⑥:子どもの抱える「体育・スポーツの困難・支援ニーズ」とユニバーサルでインクルーシブな体育・スポーツのあり方について講義する。
【事前学習】Canvasから講義資料をダウンロードして予習する (2時間) 【事後学習】講義資料を復習しながら受講ノートの加筆修正を行い、 提示された課題に取り組む (2時間) 【授業形態】対面授業 |
7 |
ユニバーサルでインクルーシブな教育方法・技術、ICT活用のあり方⑦:子どもにおける安定した睡眠・生活リズムの形成・発達は「生きる力」そのものであり、「生活・学習・発達の基本的前提」である。子どもにおける睡眠・生活リズムの形成・発達の基礎基本について講義するとともに、現代の子どもが抱える睡眠・生活リズムの困難や不登校傾向の子どもに多く見られる「起立性調整障害」についても紹介する。
【事前学習】Canvasから講義資料をダウンロードして予習する (2時間) 【事後学習】講義資料を復習しながら受講ノートの加筆修正を行い、 提示された課題に取り組む (2時間) 【授業形態】対面授業 |
8 |
ユニバーサルでインクルーシブな教育方法・技術、ICT活用のあり方⑧:子どもの睡眠障害、発達障害等の発達困難を有する子どもの睡眠・生活リズムの問題と支援のあり方について講義する。学校においても家庭と連携して子どもの「眠る力(適切な睡眠・生活リズムの獲得)」を育て、学校における子どもの活動を充実することは教育の基礎基本であり、重要な教育方法・技術である。とくに適切な睡眠・生活リズムの獲得に関わって、子どもにおける適切なインターネット・スマートホン利用の指導は、ICT活用論の大事なポイントである。
【事前学習】Canvasから講義資料をダウンロードして予習する (2時間) 【事後学習】講義資料を復習しながら受講ノートの加筆修正を行い、 提示された課題に取り組む (2時間) 【授業形態】対面授業 |
9 |
ユニバーサルでインクルーシブな教育方法・技術、ICT活用のあり方⑨:子どもの食べる力および子どもの食の困難と発達支援のあり方について講義する。食べる力は子どもの生きる力そのものであり、教育や発達支援の基本的前提である。しかし、食べられることは当たり前のことではなくて、子どもの食は発達そのものであり、子どもの食べる力は各種の教育と発達支援を受けながら獲得されていくものである。
【事前学習】Canvasから講義資料をダウンロードして予習する (2時間) 【事後学習】講義資料を復習しながら受講ノートの加筆修正を行い、 提示された課題に取り組む (2時間) 【授業形態】対面授業 |
10 |
ユニバーサルでインクルーシブな教育方法・技術、ICT活用のあり方⑩:食のアレルギー、口腔機能発達不全症、発達障害を事例にしながら、子どもの食の困難と発達支援のあり方について理解を深めていく。
【事前学習】Canvasから講義資料をダウンロードして予習する (2時間) 【事後学習】講義資料を復習しながら受講ノートの加筆修正を行い、 提示された課題に取り組む (2時間) 【授業形態】対面授業 |
11 |
ユニバーサルでインクルーシブな教育方法・技術、ICT活用のあり方⑪:子どもの「ことば・話す力」の仕組みとその困難および教育指導・発達支援のあり方について、とくに「吃音(きつおん)」「緘黙(かんもく)」を事例にして理解を深めていく。
【事前学習】Canvasから講義資料をダウンロードして予習する (2時間) 【事後学習】講義資料を復習しながら受講ノートの加筆修正を行い、 提示された課題に取り組む (2時間) 【授業形態】対面授業 |
12 |
ユニバーサルでインクルーシブな教育方法・技術、ICT活用のあり方⑫:子どもの「読み書きの力とその困難」について講義する。学習障害を事例に、子どもの「読み書きの困難」の実際とICTを活用したインクルーシブでユニバーサルな支援方法・技術について理解を深めていく。
【事前学習】Canvasから講義資料をダウンロードして予習する (2時間) 【事後学習】講義資料を復習しながら受講ノートの加筆修正を行い、 提示された課題に取り組む (2時間) 【授業形態】対面授業 |
13 |
ユニバーサルでインクルーシブな教育方法・技術、ICT活用のあり方⑬:感染症パンデミック・災害・紛争・戦争等の災禍の時代に子どものいのち・生活・発達を守る広義の防災教育は、現代の学校において不可欠な教育方法・技術である。今回の講義では「釜石の奇跡:命を守る防災教育」および私の研究室で取り組んだ「東日本大震災が子どもに与えた心理的影響と発達支援の課題―震災6年半後の岩手県沿岸部の高校生調査を通して―」を事例に、子どもの災害・被災を最小限にする予防的な防災教育および災後の子どもの発達支援のあり方について考えていく。
【事前学習】Canvasから講義資料をダウンロードして予習する (2時間) 【事後学習】講義資料を復習しながら受講ノートの加筆修正を行い、 提示された課題に取り組む (2時間) 【授業形態】対面授業 |
14 |
ユニバーサルでインクルーシブな教育方法・技術、ICT活用のあり方⑭:COVID-19の感染症法上の位置づけが、2023年5月8日に「2類相当」から季節性インフルエンザなどと同じ「5類」に移行した。法律に基づいた外出自粛の要請などはなくなり、感染対策は個人の判断に委ねられている。しかし、「子どもは現在もコロナ禍とコロナ禍後遺症の最前線にいる」。子どものコロナ禍後遺症とは「抑うつ・睡眠困難・不登校・自傷・摂食障害・自殺(企図)」等を含むものである。 今回は、防災教育の視点から、コロナ禍における子どもの「いのち・生活・学習・発達」の困難・リスクの実態と教育・発達支援のあり方について講義する。
【事前学習】Canvasから講義資料をダウンロードして予習する (2時間) 【事後学習】講義資料を復習しながら受講ノートの加筆修正を行い、 提示された課題に取り組む (2時間) 【授業形態】対面授業 |
15 |
ユニバーサルでインクルーシブな教育方法・技術、ICT活用のあり方⑮:防災教育の3回目として、2023年3月および2024年3月に実施したスウェーデン・フィンランドの子どものコロナ禍に伴う発達困難・リスクについての訪問調査をふまえて、防災教育の視点から子どものコロナ禍後遺症とそれに対する学校教育・発達支援の意義・役割について講義する。
【事前学習】Canvasから講義資料をダウンロードして予習する (2時間) 【事後学習】講義資料を復習しながら受講ノートの加筆修正を行い、 提示された課題に取り組む (2時間) 【授業形態】対面授業 |
その他 | |
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教科書 | 教科書は特に定めず、講義においてダウンロードして入手すべき文献・資料等を指示する。 |
参考書 | 中橋雄 『学びが生まれる場の創造―教育方法・ICT活用論―』 北樹出版 2023年 参考となる文献・資料等については講義において随時紹介する。 |
成績評価の方法及び基準 | レポート:各回の講義の学びに関わる課題の提出による評価(単位取得おいて14回分全ての課題提出は不可欠)(70%)、授業内テスト:講義全体の学びをふまえて作成する試験に替るレポート提出による評価(単位取得おいて試験に替るレポート提出は不可欠)(30%) 成績評価は14回分の課題提出(5点・14回:70点)と試験に替るレポート30点の合計100点により行う。なお、単位取得おいて14回分全ての課題提出と試験に替るレポート提出の双方が不可欠である。 |
オフィスアワー | メール、Canvasを用いて質疑応答を行う。 |
備考 | 講義担当者(文理学部教育学科教授・博士(教育学))の専門は特別支援教育・特別ニーズ教育・当事者研究・発達教育学・特別教育史・北欧特別教育ケア・矯正教育等であり、40年以上にわたり、当該分野の理論と実践に取り組んできた(東京学芸大学名誉教授・放送大学客員教授)。これまで法務省矯正局外部アドバイザー・日本特別ニーズ教育学会代表理事・日本特殊教育学会副理事長・地域自立支援協議会会長等の社会的活動を行いながら、現在も毎週1回、児童発達支援センター・少年院・歯科大学病院口腔リハビリテーション摂食外来等における発達相談臨床に取り組んでいる。またこれまでに30年、25回にわたり北欧福祉国家(スウェーデン、ノルウェー、アイスランド、フィンランド、デンマーク)において子ども・若者の特別ケアに関する訪問調査研究に取り組んできたので、それらの研究成果や実践をふまえながら講義を進めていく。 |