検索したい科目/教員名/キーワードを入力し「検索開始」ボタンをクリックしてください。
※教員名では姓と名の間に1文字スペースを入れずに、検索してください。
令和2年度以降入学者 | 展開無機化学特論 | ||||
---|---|---|---|---|---|
教員名 | 尾関智二 | ||||
単位数 | 2 | 学年 | 4 | 開講区分 | 文理学部 |
科目群 | 化学科 | ||||
学期 | 前期 | 履修区分 | 選択必修 |
授業形態 | 対面授業 |
---|---|
授業の形態 | 対面での実施を原則とするが、状況に応じて一部を課題学習・Zoomを使用した同時双方向授業などの遠隔での実施にかえることもある。 |
Canvas LMSコースID・コース名称 | T08827A37 2024展開無機化学特論(尾関智二・前・火5) |
授業概要 | 前周期遷移金属元素の分子性酸素酸であるポリオキソメタレート(ポリ酸)の構造および性質を解説する。これまでに学習してきた無機化学に関する知識を活用して、体系的に理解する能力の習得を目指す。 |
授業のねらい・到達目標 | 前周期遷移金属元素の分子性酸素酸であるポリオキソメタレート(ポリ酸)の生成原理、構造、性質を説明できるようになる。これまでに学習してきた無機化学の知識を、未知の化合物に適用することが出来るようになる。X線回折、核磁気共鳴、質量分析、電位差滴定など、無機化学で用いられる様々な物理化学的手法を用いた研究の妥当性を評価できるようになる。 この科目は文理学部(学士(理学))のディプロマポリシーDP6及びカリキュラムポリシーCP9に対応しています。 また,新カリキュラムにおいて,この科目は文理学部(学士(理学))のディプロマポリシーDP3,4,8及びカリキュラムポリシーCP3,4,8に対応しています。 A-3-4)高度な化学知識と化学的な根拠に基づいて,自然科学に関連する諸現象を論理的・批判的に考察し,他者に説明することができる。 A-4-4)さまざまな事象に潜む化学的問題を発見し,専門的な化学知識に基づいてそれに対する解決策を考え,独自に行動して解決することができる。 A-8-4)自分の実験経験を振り返り,その成果を客観的にまとめ,他者の評価や批判を受け,今後に活かすことができる。 |
授業の形式 | 講義 |
授業の方法 | 板書・プロジェクター等による資料の映写などを行いつつ講義を進める。 対面参加が困難であることに対する配慮を希望する学生は、必ず事前に相談すること。文理学部が定める基準に該当すると担当教員が認めた学生に対してのみ、遠隔(オンデマンド・同時双方向)での受講を認める。 |
授業計画 | |
---|---|
1 |
ガイダンス(授業のテーマや到達目標及び授業の方法について説明する) ポリオキソメタレートの概要について説明し、ポリオキソメタレートをどのように分類か解説する(A-3, A-4, A-8) 【事前学習】シラバスで各回の内容を確認し、授業全体の流れを理解しておく。教科書下巻582-583ページを読み、ポリオキソメタレートをつくる元素を確認する。 (2時間) 【事後学習】教科書下巻582-583ページを読み、授業でおこなった内容を再確認する。 (2時間) |
2 |
ポリオキソメタレートの溶液内平衡を理解するための前提として、酢酸などの一塩基酸の溶液内平衡について解説する(A-3, A-4, A-8)
【事前学習】教科書上巻136-141ページを読み、酸塩基平衡および酸性度定数について把握する。 (2時間) 【事後学習】授業中に例示した酸について、酸性度定数を調べ、ブレンステッド酸としての強さを確認する。 (2時間) |
3 |
ポリオキソメタレートの溶液内平衡を理解するための前提として、リン酸などの多塩基酸の溶液内平衡について解説する(A-3, A-4, A-8)
【事前学習】教科書上巻141-143ページを読み、多塩基酸の溶液中にどのような化学種が現れるか確認する。 (2時間) 【事後学習】授業中に例示した多塩基酸の分布図を見て、酸性度定数と分布図との関係を理解する (2時間) |
4 |
ポリオキソメタレートの溶液内平衡を理解するための前提として、クロム酸と二クロム酸の溶液内平衡について解説する(A-3, A-4, A-8)
【事前学習】教科書下巻582-583ページを読み、二クロム酸の生成反応について確認する。 (2時間) 【事後学習】授業中に示した各種濃度条件下でのクロム酸の分布図をもとに、二クロム酸の生成反応の濃度依存性について、ルシャトリエの原理と照らし合わせて理解を深める。 (2時間) |
5 |
モリブデン酸を例にとり、ポリオキソメタレートの溶液内平行について解説する(A-3, A-4, A-8)
【事前学習】第2回~第4回の授業内容を復習し、脱水縮合が起きる場合と起きない場合における溶液内平衡の違いを確認する。 (2時間) 【事後学習】第6回以降の授業に備え、第1回~第5回の内容を復習する。 (2時間) |
6 |
ポリオキソメタレートの構造を理解するために、対称性記号について解説する(A-3, A-4, A-8)
【事前学習】教科書上巻222-225ページを読み、対称操作および対称要素の概念を把握する。 (2時間) 【事後学習】授業中に例示したポリオキソメタレートについて、どのような対称要素があるかを確認する。 (2時間) |
7 |
ポリオキソメタレートの構造を理解するために、対称性について解説する(A-3, A-4, A-8)
【事前学習】教科書上巻225-227ページを読み、よく見られる点群を把握する。 (2時間) 【事後学習】授業中に例示したポリオキソメタレートについて、どのような点群に属するかを確認する。 (2時間) |
8 |
ポリオキソメタレートの結晶構造について解説する(A-3, A-4, A-8)
【事前学習】教科書上巻275-280ページを読み、X線回折から何がわかるかを把握する。 (2時間) 【事後学習】授業中に紹介した結晶構造表示ツールおよびデータを用いて、結晶構造に関する理解を深める。 (2時間) |
9 |
ポリオキソメタレートの溶液内構造を理解するための前提として、多核核磁気共鳴法について解説する(A-3, A-4, A-8)
【事前学習】教科書上巻289-290ページを読み、核磁気共鳴の概要について把握するとともに、第1回~第5回の授業で取り上げたポリオキソメタレートに含まれる元素のうち、核磁気共鳴の測定対象となるものを検討する。 (2時間) 【事後学習】授業中に例示した分子について対称性を考慮し、それぞれの元素が何本の核磁気共鳴ピークを与えるか説明できるようにする。 (2時間) |
10 |
核磁気共鳴法を用いたポリオキソメタレート溶液構造の推定法について解説する(A-3, A-4, A-8)
【事前学習】教科書290ページの表8.4を参照し、授業中で紹介した核種について、どの核種の測定が容易で、どの核種の測定が困難であるか確認する。 (2時間) 【事後学習】授業中に例示した参考文献を参照し、そこで行われている核磁気共鳴スペクトルの解釈が妥当であることを説明できるようにする。 (2時間) |
11 |
核磁気共鳴法を用いたポリオキソメタレート溶液中の会合構造の推定法について解説する(A-3, A-4, A-8)
【事前学習】教科書上巻361-362ページを読み、水素結合について把握する。 (2時間) 【事後学習】授業中に例示した参考文献を参照し、そこで行われているポリオキソメタレート溶液中の会合構造の推定が妥当であることを説明できるようにする。 (2時間) |
12 |
質量分析法を用いたポリオキソメタレートの構造決定法について解説する(A-3, A-4, A-8)
【事前学習】教科書上巻302-304ページを読み、質量分析法の概略について把握する。 (2時間) 【事後学習】授業中に例示した参考文献を参照し、そこで行われている質量スペクトルの解釈が妥当であることを説明できるようにする。 (2時間) |
13 |
赤外分光法を用いたポリオキソメタレートの構造決定法について解説する(A-3, A-4, A-8)
【事前学習】教科書上巻286-289ページを読み、赤外分光法の概略について把握する。 (2時間) 【事後学習】授業中に例示した参考文献を参照し、そこで行われている赤外吸収スペクトルの解釈が妥当であることを説明できるようにする。 (2時間) |
14 |
授業内試験および解説(A-3, A-4, A-8)
【事前学習】第1回~第13回の内容を復習すること。 (2時間) 【事後学習】理解が不十分であった事項を確認する。 (2時間) |
15 |
まとめ(これまでの復習・解説を行い、授業の理解を深める)(A-3, A-4, A-8)
【事前学習】理解が不十分であった事項について教科書・ノートを読み返して、理解する。 (2時間) 【事後学習】学修した内容の整理をする。 (2時間) |
その他 | |
---|---|
教科書 | Weller, Overton, Rourke, Armstrong著 田中勝久・髙橋雅英・安部武志・平尾一之・北川進訳 『シュライバー・アトキンス無機化学 上巻』 東京化学同人 2016年 第6版 Weller, Overton, Rourke, Armstrong著 田中勝久・髙橋雅英・安部武志・平尾一之・北川進訳 『シュライバー・アトキンス無機化学 下巻』 東京化学同人 2016年 第6版 |
参考書 | 特に指定しない。参照すべき資料などについては、適宜指示する。 |
成績評価の方法及び基準 | レポート(30%)、授業内テスト(40%)、授業参画度(30%) 授業中におこなう質問への対応状況をもとに授業参画度を評価する。 対面参加が困難であることに対する配慮を希望する学生は、必ず事前に相談すること。文理学部が定める基準に該当すると担当教員が認めた学生に対してのみ、カメラONでのZoomによる同時双方向形式で口頭試問を行い、対面で実施する授業内テストに代える。 |
オフィスアワー | 授業終了時。Canvas LMS のメッセージ機能を用いた質問も受け付けるが、夜間・週末などは対応に時間がかかることがある。 |