文理学部シラバスTOP > 文理学部 > 数学科 > 線形空間論(含演習)
日本大学ロゴ

線形空間論(含演習)

このページを印刷する

令和2年度以降入学者 線形空間論(含演習)
教員名 泊昌孝
単位数    3 学年 2~4 開講区分 文理学部
科目群 数学科
学期 後期 履修区分 選択
授業形態 対面授業
Canvas LMSコースID・コース名称 P059230N7 2024線形空間論(含演習)(泊昌孝・後・火2・水3)
授業概要 必修科目である1年次の線形代数1・2には行列,連立1次方程式,ベクトル空間の理論など多くの重要な内容が含まれていますが,すべてを網羅してはいません。
本講義では,線形代数1・2の続きとして,3次正方行列を中心に様々な対角化の方法とその応用を学修します。
また,本講義で修得できる理論は,代数系の講義のみならず,解析学序論2,微分方程式論1・2においても役立つはずです。
授業のねらい・到達目標 <授業のねらい>
線形代数1・2の講義内容を補完的に学修することで,線形代数の基礎理論を身に付ける。
さらに,内積などの学修を通して,線形代数の幾何的な捉え方を身に付ける。

<到達目標>
・3次正方行列のジョルダン標準形(対角化を含む)を求めることができる。
・行列の対角化を利用して,数列の漸化式などに応用できる。
・内積の理論(直交化)を理解し,対称行列を直交行列により対角化できる。
・対称移動,回転移動の理解を深めつつ,2次曲線の標準形を求めることができる。
・対角化の背景として,線形写像の核と像の基底を求めることができる。

<デイプロマポリシーとの関係>
この科目は, 文理学部(学士(理学))のディプロマポリシー DP3,4,5,6,8 及びカリキュラムポリシー CP3,4,5,6,8に対応しています。

<日本大学教育憲章との関係>
・自らが獲得してきた数理科学的知識を基礎とし、その上で既存の知識にとらわれることなく、数理科学的根拠に基づいて論理的に考察することができる(A-3-3)。
・日常生活における現象に潜む科学的問題を発見し,専門的知識に基づいて解決案を作成できる(A-4-3)。
・与えられた問題に取り組む気持ちを持つことができる(A-5-1)。
・親しい人々とコミュニケーションを取り,専門的知識について正しく説明することができる(A-6-2)。
・自分の学修経験の振り返りを継続的に行うことができる(A-8-1)。
授業の形式 講義、演習
授業の方法 2日に渡り1コマずつの区切りをつけての講義進行を図る。講義を1回または、2回に進めたのちに、まとまった演習を配置する。曜日を固定しないが、配布物への対応スケジュールを示し、講義と演習の対応を示していく。下記の教科書の一部を核とし,演習問題を補足するプリントを配布する。また、参考書にあるような他の話題を補足しつつ授業を進める.
履修条件 他学科の学生が(教職免許獲得のために)受講する場合は、お勧めの履修の順序があるので、初回の講義の際に申し出ること。
授業計画
1 ガイダンス,線形代数1,2で学んだ2次正方行列の「対角化」の発展として, 2次正方行列の「ジョルダン標準形」の求め方を学ぶ。
【事前学習】シラバスの概要を確認し,教科書第2章第3節~第5節に目を通しておくこと。 (2時間)
【事後学習】第1回宿題(2次正方行列のジョルダン標準形の計算例)を解き,翌週提出すること。 (3時間)
【授業形態】対面授業
2 3次正方行列の簡単な「固有値」と「固有ベクトル」の求め方を学ぶ。
【事前学習】教科書第8章第1節を読み,固有値の定義を確認しておくこと。 (2時間)
【事後学習】第2回宿題(3次正方行列の固有値,固有ベクトルの計算)を解き,翌週提出すること。 (3時間)
【授業形態】対面授業
3 3次正方行列の「固有値」と「固有ベクトル」の求め方~固有値が重根の場合~を学ぶ。
【事前学習】前回の講義内容のうち,固有ベクトルの求め方を理解しておくこと。 (2時間)
【事後学習】第3回宿題(3次正方行列の固有値,固有ベクトルの計算)を解き,翌週提出すること。 (3時間)
【授業形態】対面授業
4 「対角化可能性」の判定法について学ぶ。
【事前学習】教科書第8章第1節を読み,対角化の定義をノートに記載しておくこと。 (2時間)
【事後学習】第4回宿題(3次正方行列の対角化の計算例)を解き,翌週提出すること。 (3時間)
【授業形態】対面授業
5 対角化の応用(行列のべき,数列の漸化式)について学ぶ。
【事前学習】教科書第8章第3節を読み,対角化の漸化式への応用に目を通しておくこと。また,高校数学で学んだ方法で漸化式を解けるかどうかチャレンジすること(A-5)。 (2時間)
【事後学習】第5回宿題(3項間漸化式の計算例)を解き,翌週提出すること。 (3時間)
【授業形態】対面授業
6 3次正方行列の「ジョルダン標準形」の求め方を学ぶ。また,発展的な問題へのチャレンジを通して,「挑戦力(A-5)」をスキルアップする。
【事前学習】2次正方行列の「ジョルダン標準形」を復習しておくこと。 (2時間)
【事後学習】第6回宿題(3次正方行列のジョルダン標準形の計算例)を解き,翌週提出すること。 (3時間)
【授業形態】対面授業
7 中間試験【指定された資料閲覧可能】とその解説(A-3,A-4)
【事前学習】第1~6回の内容を復習しておくこと。 (6時間)
【事後学習】友人と積極的に議論して,解けなかった試験問題を解きなおすこと(A-6, A-8)。 (3時間)
【授業形態】対面授業
8 内積空間(内積・コーシー・シュワルツの不等式)の初歩と, 「グラム・シュミットの直交化法」を用いた正規直交基底の求め方を学ぶ。
【事前学習】教科書第9章第1,2節を読み,高校数学のベクトルの内容を復習しておくこと。 (2時間)
【事後学習】第8回宿題(正規直交基底の計算)を解き, 翌週提出すること。 (3時間)
【授業形態】対面授業
9 「直交行列による対称行列の対角化」の方法について学ぶ。
【事前学習】第2~4回の講義内容を復習し,対角化の方法を理解しておくこと。 (2時間)
【事後学習】第9回宿題(3次対称行列の直交行列による対角化の計算例)を解き,翌週提出すること。 (3時間)
【授業形態】対面授業
10 「2次形式」と「2次曲線の標準形」の求め方を学ぶ。
【事前学習】教科書第10章第1,2節と高校数学IIIの教科書を読み,2次曲線の種類をノートにまとめておくこと。 (2時間)
【事後学習】第10回宿題(楕円・双曲線の標準形の計算例)を解き,翌週提出すること。 (3時間)
【授業形態】対面授業
11 「基本行変形」を利用して,「部分空間の次元と基底」の求め方を学ぶ。
【事前学習】線形代数1で学んだ基本行変形について復習しておくこと。 (2時間)
【事後学習】第11回宿題(数ベクトル空間の部分空間の次元と基底の計算)を解き,翌週提出すること。 (3時間)
【授業形態】対面授業
12 「線形写像」の具体例と核と像の基底の求め方について学ぶ。
【事前学習】第11回の講義ノートを良く読み,数ベクトルう空間の部分空間の基底の求め方を理解しておくこと。 (2時間)
【事後学習】第12回宿題(せんけい写像の核と像の次元と基底の計算)を解き、翌週提出すること。 (3時間)
【授業形態】対面授業
13 まとめ(グループワークを通して,グラム・シュミットの直交化法,対称行列の対角化の方法の理解を深める)
【事前学習】第8・9回の講義ノートを見直しておくこと。 (2時間)
【事後学習】演習の解説動画を視聴すること。 (3時間)
【授業形態】対面授業
14 まとめ(グループワークを通して,2次曲線,線形写像の核と像の基底の求め方の理解を深める)
【事前学習】第10・11・12回の講義ノートを見直しておくこと。 (4時間)
【事後学習】演習の解説動画を視聴すること。 (3時間)
【授業形態】対面授業
15 期末試験とその解説
【事前学習】第8~14回の内容を復習し、定理・定義・公式をまとめること。 (2時間)
【事後学習】友人と積極的に議論して,解けなかった問題を解きなおすこと。 (3時間)
【授業形態】対面授業
その他
教科書 渡辺敬一,松浦豊,泊昌孝 『具体例から始める線型代数』 日本評論社 2007年 第1版
教科書は簡潔に定理と証明を記述しています。が、講義では配布資料も加えて丁寧に議論をしてゆきます。
参考書 笠原晧司  『線形代数と固有値問題 - スペクトル分解を中心にして 新装版』 現代数学社  2014年
この本は、「行列•行列式などの話の次にくるもの」に重点をおいている。単に計算術を身につけるのでなく、その先にある世界を見せてくれる本です。教科書としても、独習書としても使えるものであり、説明の仕方には定評がある書籍です。
成績評価の方法及び基準 レポート:各回の宿題をレポートとして評価する(25%)、授業内テスト:中間試験,期末試験を行い,その点数を評価する(50%)、授業参画度:演習への参加状況を評価する(25%)
・A-3,A-4の達成度は中間試験,期末試験の解答状況にて判定し,A-5の達成度については課題(レポート、宿題)の提出状況にて判定する。また、A-6の達成度については演習での質問と議論の参加状況にて判定し,自己点検シート(期末試験時に回収)を通してA-8の達成度を確認する。
オフィスアワー Canvas LMS を通しての質問は直接回答するか,授業日までの資料に解説を載せる。
備考 履修要件ではないが,線形代数1・2を修得していることが望ましい(ただし,復習をするので,充分に理解していなくてもよい)。
Canvas LMS が使えない学生は事前に申し出ること。
シラバスの内容は学生の皆さんの学修の状況を考慮して、変更することもあります。
また、事前学習・事後学習の時間は目安です。

このページのトップ