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美学講究

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令和2年度以降入学者 美学講究
令和元年度以前入学者 美学概論2
教員名 高橋陽一郎
単位数    2 学年 1~4 開講区分 文理学部
科目群 哲学科
学期 後期 履修区分 必修
授業形態 対面授業
Canvas LMSコースID・コース名称 A01401A06 2024美学講究(高橋陽一郎・後・月3)
授業概要 美学(aesthetics、Ästhetik)がどのような特徴をもった学問であるのかを復習し、これに続いて、後学期では美学がその歴史を通じて考察してきた対象のうち「藝術」を中心に講義する。したがって後学期は「藝術哲学」としての美学を講じる。
授業のねらい・到達目標 「美学」という言葉が与える先入観を排し、この学問についての正確な理解を獲得してもらうことが本講義の主要な目的である。本講義において美学に関係する諸思想や諸概念を獲得することによって、しばしば漠然とした情緒の状態におかれる自らの美的体験や美的価値を意識化・言語化させてそれらを体験として深めたり、偉大な藝術家(アーティスト)の活動を適切に説明したりすることが可能となる。
・真・善・美・聖の探究から得られた知識と教養に基づいて,人間と社会の倫理的な課題を理解することができる(A-1-1)。
・文献や資料の読解・解釈を通じて,哲学の代表的な問題を理解し,説明することができる(A-4-1)。

この科目は文理学部(学士(文学))のディプロマポリシーDP1,DP4及びカリキュラムポリシーCP1,CP4に対応しています。
授業の形式 講義
授業の方法 授業の形式:【講義】
前学期と同様に、毎回資料を配布し、場合によってパワーポイント教材を見ていただきながら講義型の授業を行います。何回かに一度、リアクションペーパーとして授業内容をまとめていただきます。(リアクションペーパーに反映すべき内容については、翌週に簡単に解説します。)
またこのほかに、後学期の全授業の最後に課題を出し、1500字前後の後学期総括レポートとして提出していただきます。
履修条件 なし
授業計画
1 後学期授業への手引き(授業のテーマや到達目標及び授業の方法について説明する。また前学期で学んだ学問としての美学を簡単に復習する。さらに藝術の語義について学ぶ。)(A-4-1)
【事前学習】シラバスを事前に確認し、授業全体の流れについて把握しておく。 (2時間)
【事後学習】配布プリントにより、美の哲学としての美学について再確認する。 (2時間)
【授業形態】対面授業
2 藝術の源流(1):古代ギリシアにおける藝術の諸概念:ポイエーシスやムーシケーなど。(A-4-1)
【事前学習】美術書等で古代ギリシアの彫刻作品を調べる。 (2時間)
【事後学習】授業で配布されたプリントを再読し、ポイエーシス(制作)他の諸概念についてまとめてみる。 (2時間)
【授業形態】対面授業
3 藝術の源流(2):古代ギリシアにおける藝術の諸概念:ミーメーシス(模倣)。(A-4-1)
【事前学習】美術書等で古代ギリシアの建築作品を調べる。 (2時間)
【事後学習】授業で配布されたプリントを再読し、ミーメーシスについて論じてみる。 (2時間)
【授業形態】対面授業
4 表現としての藝術:近代における藝術の諸概念:表現と天才(A-1-1)
【事前学習】美術書等で近代藝術について調べてみる。 (2時間)
【事後学習】授業で配布されたプリントを再読し、古代と近代の違いについてメモしておく。 (2時間)
【授業形態】対面授業
5 偉大な藝術の時代:近代までの藝術(A-1-1)
【事前学習】藝術に対する感動の中身について自己自身の体験を記述してみる。 (2時間)
【事後学習】授業で配布されたプリントを再読し、疑問点を言えるようにしておく。 (2時間)
【授業形態】対面授業
6 現代アートの起こり:20世紀初頭(A-1-1)
【事前学習】20世紀初頭の藝術について調べてみる。 (2時間)
【事後学習】授業で配布されたプリントを再読し、疑問点を言えるようにしておく。 (2時間)
【授業形態】対面授業
7 作品とは何か(1):「開かれたもの」(1)―workの概念―(A-1-1)
【事前学習】日本語の「作品」と英語のworkとの違いについて持っている自分の感覚について記述してみる。 (2時間)
【事後学習】授業で配布されたプリントを再読し、疑問点を言えるようにしておく。 (2時間)
【授業形態】対面授業
8 作品とは何か(2)―「開かれたもの」(2)―ハルトマンとハイデガーに則して―(A-1)
【事前学習】「現象学」について簡潔に調べておく。 (2時間)
【事後学習】授業で配布されたプリントを再読し、疑問点を言えるようにしておく。 (2時間)
【授業形態】対面授業
9 作品とは何か(3)―「開かれたもの」(3)―作品の完成と未完成―(A-1-1)
【事前学習】未完成作品の名作について調べてみる。 (2時間)
【事後学習】授業の内容を踏まえ、作品の完成とは何かという観点から短いレポートを書いてみる。(A-4) (2時間)
【授業形態】対面授業
10 マルセル・デュシャンとアートの問題(1)―「噴水(泉)」をめぐって―(A-4-1)
【事前学習】デュシャンの作品とほかのアートとの違いについて、調べてみる。 (2時間)
【事後学習】授業で配布されたプリントを再読し、事物内在的な美の特徴を言えるようにしておく。 (2時間)
【授業形態】対面授業
11 マルセル・デュシャンとアートの問題(2)―反対者たち―(A-4-1)
【事前学習】私たちがアートをアートと認めている根拠は何かという問題について言えるようにしておく。 (2時間)
【事後学習】授業で配布されたプリントを再読し、疑問点や賛成・反対について自分の意見を形成する。(A-1, A-2) (3時間)
【授業形態】対面授業
12 マルセル・デュシャンとアートの問題(3)―「アートワールド」論周辺―(A-4-1)
【事前学習】分析美学の学問的傾向について簡単に調べておく。 (2時間)
【事後学習】授業で配布されたプリントを再読し、ダントーやディッキーの思想に対する自分の考えを形成しておく。(A-1, A-4) (3時間)
【授業形態】対面授業
13 現代美学の諸問題(1)―フランクフルト学派の問題意識―(資料と音声によるオンデマンド授業)(A-1-1, A-4-1)
【事前学習】フランクフルト学派について自分で調べておく。 (2時間)
【事後学習】授業で配布されたプリントを再読し、フランクフルト学派の危機意識について短文をまとめてみる。 (3時間)
【授業形態】対面授業
14 現代美学の諸問題(2)―現代日本における藝術学の諸問題―(A-1-1, A-4-1)
【事前学習】現代日本特有のアートとしてどのようなものがあるか、調べてみる。 (2時間)
【事後学習】授業で配布されたプリントを再読し、現代日本の藝術学の問題意識について短文を物してみる(A-1, A-4) (3時間)
【授業形態】対面授業
15 まとめの授業―美・藝術・美学―(A-1-1, A-4-1)
【事前学習】これまで授業で配布されたプリント類を熟読し、改めて疑問点を整理しておく。 (3時間)
【事後学習】美と藝術と美学の相互関係について、1500字程度のレポートをまとめ始める(A-1, A-4) (3時間)
【授業形態】対面授業
その他
教科書 なし(使用せず。毎回資料を配布します)。
参考書 カロル・タロン=ユゴン 『美学への手引き (文庫クセジュ)』 白水社 2015年
授業で本参考書(『美学への手引き』)は使用しませんが、授業では教科書を使用しないため、どうしても何か一冊備えていたいという人は、本書の購入をご検討ください。本書は哲学的美学の入門書として標準的な(したがって授業内容にも比較的近い)記述がなされています。
成績評価の方法及び基準 レポート:レポートは求めるテーマと内容、提出状況をみて評価します。(70%)、授業参画度:授業参画度は、リアクションペーパー等で評価します。(30%)
レポートのなかに西洋美学の「藝術」の思想がいかに自分の言葉で表現されているかを見てA-1の達成度を評価する。
レポートのなかに授業配布資料がいかに適切に引用されているかを見てA-4の達成度を評価する。
オフィスアワー 毎回の授業終了後に設けます。

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