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令和元年度以前入学者 | 基礎演習1 | ||||
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教員名 | 久保木秀夫 | ||||
単位数 | 1 | 学年 | 2 | 開講区分 | 文理学部 |
科目群 | 国文学科 | ||||
学期 | 前期 | 履修区分 | 必修 |
授業形態 | 対面授業 |
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授業の形態 | ・履修者は初回授業開始時までに必ず、Blackboardへの登録を済ませておくこと。 |
Blackboard ID | 20230683 |
授業概要 | ・古典文学の大きな特長として、同一の作品であっても、全国各地に伝わっている伝本(写本・版本)によって、本文が相当異なっている=「異文」が相応に見出される、ということがある。 ・本演習では、そうした異文を有する「異本」が複数種現存している、清少納言の『枕草子』を対象として、各本文の比較検討、及びそれぞれの本文に基づく解釈や考証、読解を行っていく。 ・より具体的には、現行活字テキストのほぼすべての底本となっている定家本(三巻本)に対して、能因本・前田家本・堺本という3種の異本を取り上げて、ひとり1章段ずつ担当していく。 ・担当章段に関する各種文献資料の調査収集、4種の本文の比較と異同一覧の作成、各異文に拠った場合に生じる解釈や章段理解の違い等々を、履修者が個別に発表し、質疑応答を踏まえてレポート化をもすることで、古典文学の流動性を理解し、異本・異文をも取り入れた鷹飼う的な研究方法を修得していくことを目指す。 |
授業のねらい・到達目標 | ・『枕草子』自体は中古(平安時代)文学のひとつであるが、その諸伝本は中世(鎌倉・南北朝・室町時代)~近世(江戸時代)に書写印刷されたものばかりである点、とある時代の1作品を論じるにしても、他の時代に関する知識・認識も自ずと不可欠となってくる。そのことを実践的に理解していく。 ・4種の本文はいずれも活字化されているが、あらためて大元の「くずし字」の段階から読み直していく。すなわちくずし字を解読するスキルを身に付けていく。 ・またくずし字を解読しただけでは「解釈」したことにならない。ついては解読後、古語辞典その他専門的な諸辞典や、古文献中の用例収集などを行って、4種類の各本文を解釈し、底本にはない句読点や濁点などを付け加え(校訂という)、現代語訳をも自ら行えるようになる。 ・さらに4種の本文を比較検討することにより、古典文学の流動性・多様性、それらがもたらす様々な研究上の可能性についても自ら考えられるようになる。 ・そのために不可欠となる、参考文献・先行研究の調べ方や読み方、要約や引用の仕方――とりわけ自他の文章・考察・思考等を明確に区別する方法――を修得する。 ・また各種データベース類の基礎的な活用方法を修得する。 ・以上を通じて、古典文学研究のための基礎的な知識とスキルを修得する。 ・この科目は、文理学部(学士(文学))のディプロマポリシーDP3~8及びカリキュラムポリシーCP3~8に対応している。なお、旧カリキュラム(令和元年度以前入学者が対象)においては、文理学部(学士(文学))のディプロマポリシーDP6及びカリキュラムポリシーCP9に対応している。 ・仮説に基づく課題や問題を提示し,客観的な情報を基に,論理的・批判的に考察できる。(A-3-2) ・問題の意味を理解し,助言を受けて複数の解決策を提示し説明できる。(A-4-2) ・新しい挑戦への計画を立て,準備することができる。(A-5-2) ・さまざまな人々とのコミュニケーションを通じて相互に意思を伝達することができる。(A-6-2) ・集団の活動において,より良い成果を上げるために,指導者のもとで他者と協働し,作業を行うことができる。(A-7-2) ・自己の学修に関する経験と考えを振り返り,分析できる。(A-8-2) |
授業の形式 | 演習 |
授業の方法 | ・基本的には演習形式。作品の概要、主要4種の本文と伝本の概要、調査・研究・発表方法等を具体的にレクチャーする。 ・次いで、授業1回につき2~3人ずつ、担当部分の発表をおこなっていく。 ・発表内容は、くずし字解読による本文の提示、語釈、解釈・本文校訂、現代語訳、4本の比較検討、総合的な考察、その他とする。 ・発表者は原則として、発表の1週間前には配付資料を提出する。それをOneDriveの本授業専用フォルダにアップロードするので、他の受講者は当日までに(なるべくプリントアウトの上)通読しておき、気になった点、自分と考えの異なる点などをピックアップしておく。 ・また各発表に対して2名ずつ、質問者を割り振っておく。質問者は具体的な質問を予め用意しておく。ちなみに質問者2名以外は質問しなくてよい、ということでは全くない。 ・それを踏まえて、教員もコメントを加えていく。 ・発表者は担当章段の発表後、質疑応答や教員コメントを踏まえてさらにブラッシュアップし、それを文章化し、学期末レポートとして提出する。 ・なお発表方法や分担方法などについては、履修生と相談の上、学修効果に影響がない範囲内で多少変更する場合もあり得る。 ・対面参加が困難な学生については、Blackboardのメール機能を用いて、事前に教員に申し出ること。個別事情を勘案し、妥当と判断されれば、zoomによるオンライン受講を認める。許可を得ないままオンライン参加した場合は、原則として【遅刻扱い】とされる。 |
履修条件 | 人数調整を行うため、4月5日(水)12時00分までにグーグルフォームで所定の手続きを取ること。受講許可は、4月8日(土)COMITS2・国文学科掲示板にて発表する。 なお、手続きについてはCOMITS2「お知らせ」で指示するので必ず確認すること。 |
授業計画 | |
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1 |
スタートアップ:『枕草子』について/学期末レポート及び評価基準について/発表内容・方法について/個別発表の担当章段・順番の調整・決定 (A-3-2)(A-4-2)(A-5-2)(A-6-2)(A-7-2)(A-8-2) 【事前学習】シラバスをよく読み、『枕草子』について調べておくこと。 (2時間) 【事後学習】配布プリントや講義内容に基づき授業の主旨を復習・理解しておくこと。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
2 |
レクチャー01:原本資料を活用した古典文学研究について/くずし字の解読方法について (A-3-2)(A-4-2)(A-5-2)(A-6-2)(A-7-2)(A-8-2) 【事前学習】配布プリントの指示部分をあらかじめ読んでおくこと。 (2時間) 【事後学習】授業内容、及びくずし字の解読・解釈方法を復習しておくこと。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
3 |
レクチャー02:『枕草子』の伝本・本文について/くずし字解読の基礎01平仮名 (A-3-2)(A-4-2)(A-5-2)(A-6-2)(A-7-2)(A-8-2) 【事前学習】配布プリントの指示部分をあらかじめ読んでおくこと。 (2時間) 【事後学習】授業内容を復習・確認・追加調査しておくこと。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
4 |
レクチャー03:参考文献・各種webデータベースの紹介/くずし字解読の基礎02片仮名 (A-3-2)(A-4-2)(A-5-2)(A-6-2)(A-7-2)(A-8-2) 【事前学習】配布プリントの指示部分をあらかじめ読んでおくこと。 (2時間) 【事後学習】紹介したデータベースを実際に使用すること。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
5 |
レクチャー04:文学資料の用例調査について/くずし字解読の基礎03漢字 (A-3-2)(A-4-2)(A-5-2)(A-6-2)(A-7-2)(A-8-2) 【事前学習】配布プリントの指示部分をあらかじめ読んでおくこと。 (2時間) 【事後学習】紹介した調査方法を実際に行ってみること。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
6 |
個別発表・質疑応答01 (A-3-2)(A-4-2)(A-5-2)(A-6-2)(A-7-2)(A-8-2) 【事前学習】発表者は1週間前までに発表資料を提出。それ以外は事前配布された発表資料を通読し、質疑の準備をしておくこと。 (2時間) 【事後学習】発表者は質疑応答を踏まえて再考・追加調査。それ以外は次の発表に備えて予習。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
7 |
個別発表・質疑応答02 (A-3-2)(A-4-2)(A-5-2)(A-6-2)(A-7-2)(A-8-2) 【事前学習】発表者は1週間前までに発表資料を提出。それ以外は事前配布された発表資料を通読し、質疑の準備をしておくこと。 (2時間) 【事後学習】発表者は質疑応答を踏まえて再考・追加調査。それ以外は次の発表に備えて予習。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
8 |
個別発表・質疑応答03 (A-3-2)(A-4-2)(A-5-2)(A-6-2)(A-7-2)(A-8-2) 【事前学習】発表者は1週間前までに発表資料を提出。それ以外は事前配布された発表資料を通読し、質疑の準備をしておくこと。 (2時間) 【事後学習】発表者は質疑応答を踏まえて再考・追加調査。それ以外は次の発表に備えて予習。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
9 |
個別発表・質疑応答04 (A-3-2)(A-4-2)(A-5-2)(A-6-2)(A-7-2)(A-8-2) 【事前学習】発表者は1週間前までに発表資料を提出。それ以外は事前配布された発表資料を通読し、質疑の準備をしておくこと。 (2時間) 【事後学習】発表者は質疑応答を踏まえて再考・追加調査。それ以外は次の発表に備えて予習。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
10 |
個別発表・質疑応答05 (A-3-2)(A-4-2)(A-5-2)(A-6-2)(A-7-2)(A-8-2) 【事前学習】発表者は1週間前までに発表資料を提出。それ以外は事前配布された発表資料を通読し、質疑の準備をしておくこと。 (2時間) 【事後学習】発表者は質疑応答を踏まえて再考・追加調査。それ以外は次の発表に備えて予習。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
11 |
個別発表・質疑応答06 (A-3-2)(A-4-2)(A-5-2)(A-6-2)(A-7-2)(A-8-2) 【事前学習】発表者は1週間前までに発表資料を提出。それ以外は事前配布された発表資料を通読し、質疑の準備をしておくこと。 (2時間) 【事後学習】発表者は質疑応答を踏まえて再考・追加調査。それ以外は次の発表に備えて予習。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
12 |
個別発表・質疑応答07 (A-3-2)(A-4-2)(A-5-2)(A-6-2)(A-7-2)(A-8-2) 【事前学習】発表者は1週間前までに発表資料を提出。それ以外は事前配布された発表資料を通読し、質疑の準備をしておくこと。 (2時間) 【事後学習】発表者は質疑応答を踏まえて再考・追加調査。それ以外は次の発表に備えて予習。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
13 |
個別発表・質疑応答08 (A-3-2)(A-4-2)(A-5-2)(A-6-2)(A-7-2)(A-8-2) 【事前学習】発表者は1週間前までに発表資料を提出。それ以外は事前配布された発表資料を通読し、質疑の準備をしておくこと。 (2時間) 【事後学習】発表者は質疑応答を踏まえて再考・追加調査。それ以外は次の発表に備えて予習。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
14 |
個別発表・質疑応答09 (A-3-2)(A-4-2)(A-5-2)(A-6-2)(A-7-2)(A-8-2) 【事前学習】発表者は1週間前までに発表資料を提出。それ以外は事前配布された発表資料を通読し、質疑の準備をしておくこと。 (2時間) 【事後学習】発表者は質疑応答を踏まえて再考・追加調査。それ以外は次の発表に備えて予習。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
15 |
総括:古典文学に関する基礎的な研究方法、及び異本・異文の重要性を再確認し、総括し、それぞれの今後の研究に繋げていけるようにする。 (A-3-2)(A-4-2)(A-5-2)(A-6-2)(A-7-2)(A-8-2) 【事前学習】これまでの授業全体を振り返り、修得した知識やスキルを再確認する。 (2時間) 【事後学習】学期末レポートに取り組む。 (2時間) 【授業形態】対面授業 |
その他 | |
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教科書 | 笠間影印叢刊刊行会 『字典かな 出典明記 改訂版』 笠間書院 1972年 ・教科書の『字典かな』は、同種の字典類をすでに所持している場合は、そちらを用いて構わない(新たに購入する必要はない)。 ・テキストは指定しないが、参考書の欄に記載する文庫本のいずれかを入手し、通読しておくのが望ましい。 ・テキストの代わりに適宜プリントを用意する。プリントは基本的に、OneDriveの共有フォルダを通じて配信する。 ・また個別発表時に必要となる、定家本・能因本・堺本の影印本(写本1点すべてを書籍化したもの)その他、最低限必要なものは、国文学科の学生研究室の本棚に常設しておくようにする。 |
参考書 | 石田穣二 『新版 枕草子 上下巻 (角川文庫)』 KADOKAWA 1979年 上坂信男・神作光一 『枕草子 上下巻 (講談社学術文庫)』 講談社 1999年 島内裕子 『枕草子 全2巻 (ちくま学芸文庫)』 筑摩書房 2017年 ・枕草子のその他の活字テキスト・注釈書・研究書は多数あるため、適宜授業で紹介していく。 |
成績評価の方法及び基準 | レポート:個別発表時の質疑応答やアドバイス等を踏まえて、学術レポートとしてまとめ直す。(40%)、授業参画度:自身の発表の充実度、他の受講生への質問回数と内容、ほか授業に関わる積極的な発言や質問などを総合的に判断。(30%)、各回のコメントシートの充実度。(30%) 対面・zoomでのオンライン参加といった履修形態の違いによって、成績評価に差を設けることはしない。 |
オフィスアワー | 随時Blackboard経由のメールで受け付ける。対応までに時間を要することもある。 |