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令和2年度以降入学者 | 総合研究1~8(トランス・ヒューマニズム概説) | ||||
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令和元年度以前入学者 | 総合研究1~8(トランス・ヒューマニズム概説) | ||||
教員名 | 堀内進之介 | ||||
単位数 | 2 | 学年 | 1~4 | 開講区分 | 文理学部 |
科目群 | 総合教育科目 | ||||
学期 | 前期 | 履修区分 | 選択 |
授業形態 | 遠隔授業(オンデマンド型) |
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授業の形態 | 遠隔授業(オンデマンド型、YouTubeやBlackboardを使った動画や学習資料の配信)で実施する。 |
Blackboard ID | 20230114 |
授業概要 | 情報工学や薬理学、生物医科学などの技術によって、人間の能力や資質を強化しようという実践が始まっている。これらは一般に、ヒューマン・エンハンスメントと呼ばれ、それを推進する哲学や思想は、トランス・ヒューマニズムとして知られている。このような実践や思潮は、これまで偶然だと考えられてきた事柄を選択に変える可能性を秘めており、社会生活全般において、大きな影響を及ぼすと考えられている。 認知機能強化のための「スマートドラッグ」、AIによる意思決定支援システム、遺伝子編集によるデザイナーベイビーの可能性は、その代表事例である。これらはすでに社会生活に入り込んでおり、ますます身近なものになろうとしている。そこで、本講義では、トランス・ヒューマニズムに関わる実践と思潮について、そこにどのような可能性があり、また、どのようなリスクがあるのかを概説し、人間と社会と科学の関係性について、最新の知見を学べるようにする。 |
授業のねらい・到達目標 | <知識><技能> この講義では、受講生が①人間の能力や資質の強化に関わる諸実践を理解し、②その可能性とリスクを評価することができ、③科学(技術)の善用について、自律的に講じられるようになることが目指される。 <能力> 上記の<知識><技能>の習得を経て、以下の<能力>を育むことを目標とします。 経験や学修から得られた豊かな知識と教養に基づいて,倫理的な課題を理解し説明することができることを到達目標とします。(A-1-1) この科目は文理学部(学士)のDP1及びCP1に対応しています。 |
授業の形式 | 講義 |
授業の方法 | 遠隔授業(オンデマンド型)を行う。 授業内容の習熟度を確認する課題(毎回)を Blackboard上にUPする(※確認課題の模範解答は、Blackboard上にて共有する)。 3回の課題レポートを執筆してもらう(※レポートは、Blackboard上にて全体に関することを講評する)。 |
履修条件 | この講義では、毎回、授業内容の習熟度を確認するための課題を課す。さらに、3回の課題レポートを執筆してもらう。 相応の負担があるので、授業時間の前後で十分な時間を取って課題に臨む意欲、態勢が整っていることが不可欠である。 履修希望者が一定人数を超える場合には、CHIPSによる学部のweb抽選の実施により受講者を決定する。 |
授業計画 | |
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1 |
1)ガイダンス:トランス・ヒューマニズムとは何か ・・・先端科学が人間の諸能力や資質にどのように関わろうとしているのか、そこにはどのような思想があるのかを概説する。(A-1-1) 【事前学習】Blackboard上で配布する教材を利用し,疑問点をまとめておく。 (2時間) 【事後学習】授業内容の確認課題をこなし、授業の要点をノート等にまとめる。 (2時間) 【授業形態】オンデマンド型授業 |
2 |
2)治療と強化の区別について ・・・病気の治療と、能力や資質の強化は、どちらも生物医科学的な技術が使われるが、そこにはどのような違いがあるか、あるは無いのか。それを区別することは可能なのかを概説する。(A-1-1) 【事前学習】Blackboard上で配布する教材を利用し,疑問点をまとめておく。 (2時間) 【事後学習】授業内容の確認課題をこなし、授業の要点をノート等にまとめる。 (2時間) 【授業形態】オンデマンド型授業 |
3 |
3)身体強化の可能性 ・・・サイボーグ化、パワードスーツ、遺伝子編集の最新の取り組みは、身体にどのような変化をもたらすことができ、またどのように実践されているのかを概説する。(A-1-1) 【事前学習】Blackboard上で配布する教材を利用し,疑問点をまとめておく。 (2時間) 【事後学習】授業内容の確認課題をこなし、授業の要点をノート等にまとめる。 (2時間) 【授業形態】オンデマンド型授業 |
4 |
4)身体強化のリスク ・・・この取組には、超人を、あるいはフランケンシュタインを作り出すのではないかという懸念がある。また軍事利用に関する恐れもある。そうした懸念や恐れ、そして規制のあり方を概説する。(A-1-1) 【事前学習】Blackboard上で配布する教材を利用し,疑問点をまとめておく。 (2時間) 【事後学習】授業内容の確認課題をこなし、授業の要点をノート等にまとめる。 (2時間) 【授業形態】オンデマンド型授業 |
5 |
5)課題研究:オリンピックは公正なのか ・・・オリンピックには、アンチ・ドーピングという規定がある。この規定は、パラリンピックにおいて問題を生じさせている。優れた義肢装具は不正なのか、これらに論点を解説する。(A-1-1) 【事前学習】Blackboard上で配布する教材を利用し,疑問点をまとめておく。 (2時間) 【事後学習】授業内容の確認課題をこなし、小レポートを執筆する。 (2時間) 【授業形態】オンデマンド型授業、課題研究 |
6 |
6)認知強化の可能性 ・・・スマートドラッグ、経頭蓋磁気刺激、脳深部刺激といった取り組みは、認知機能を強化し、優れた判断を可能にすると期待されている。それは、どのように利用され、どの程度普及しているかを概説する。(A-1-1) 【事前学習】Blackboard上で配布する教材を利用し,疑問点をまとめておく。 (1時間) 【事後学習】授業内容の確認課題をこなし、授業の要点をノート等にまとめる。 (3時間) 【授業形態】オンデマンド型授業 |
7 |
7)認知強化のリスク ・・・認知強化は、格差社会をさらに広げる可能性や、自由や自律性を脅かすのではないかという懸念が持たれている。認知強化には、どのようリスクがあるかを概説する。(A-1-1) 【事前学習】Blackboard上で配布する教材を利用し,疑問点をまとめておく。 (2時間) 【事後学習】授業内容の確認課題をこなし、授業の要点をノート等にまとめる。 (2時間) 【授業形態】オンデマンド型授業 |
8 |
8)課題研究:アカデミック・ドーピングは不正なのか ・・・ADHDの学生は認知機能強化剤を処方されていることがある。これは許されているのに、なぜ健常者はダメなのか。これを調べレポートにまとめる。(A-1-1) 【事前学習】Blackboard上で配布する教材を利用し,疑問点をまとめておく。 (2時間) 【事後学習】授業内容の確認課題をこなし、小レポートを執筆する。 (2時間) 【授業形態】オンデマンド型授業、課題研究 |
9 |
9)道徳強化の可能性 ・・・オキシトシンやドーパミンには、共感能力を向上さる効果がある。これは、人びとの向社会性を強化したり、夫婦や親子の絆を強化するために、すでに用いられていることを概説する。(A-1-1) 【事前学習】Blackboard上で配布する教材を利用し,疑問点をまとめておく。 (2時間) 【事後学習】授業内容の確認課題をこなし、授業の要点をノート等にまとめる。 (2時間) 【授業形態】オンデマンド型授業 |
10 |
10)道徳強化のリスク ・・・共感能力の強化や愛情の強化には、真正性を毀損し、尊厳を傷つけるのではないかという懸念が持たれている。こうした懸念が、どの程度妥当なのかを概説する。(A-1-1) 【事前学習】Blackboard上で配布する教材を利用し,疑問点をまとめておく。 (1時間) 【事後学習】授業内容の確認課題をこなし、授業の要点をノート等にまとめる。 (3時間) 【授業形態】オンデマンド型授業 |
11 |
11)課題研究:有権者の道徳強化は違法なのか ・・・有権者や為政者は、他者を思いやることが求められる。この能力を選挙前に強化することは、民主主義に反するのか、反しないのか、これらに論点を解説する。(A-1-1) 【事前学習】Blackboard上で配布する教材を利用し,疑問点をまとめておく。 (2時間) 【事後学習】授業内容の確認課題をこなし、小レポートを執筆する。 (2時間) 【授業形態】オンデマンド型授業、課題研究 |
12 |
12)アドバイザーAIの可能性とリスク ・・・意思決定支援システムは、すでに日常にあふれている。リコメンデーションはその一つであり、スマホの主たる機能になりつつある。その是非を概説する。(A-1-1) 【事前学習】Blackboard上で配布する教材を利用し,疑問点をまとめておく。 (2時間) 【事後学習】授業内容の確認課題をこなし、授業の要点をノート等にまとめる。 (2時間) 【授業形態】オンデマンド型授業 |
13 |
13)遺伝子編集の可能性とリスク ・・・遺伝子編集は、デザイナーベイビーを可能にするかもしれない。あるいは、成人の特性をそれによって変えられる可能性もある。それは優生主義につながるのか、それを概説する。(A-1-1) 【事前学習】Blackboard上で配布する教材を利用し,疑問点をまとめておく。 (2時間) 【事後学習】授業内容の確認課題をこなし、授業の要点をノート等にまとめる。 (2時間) 【授業形態】オンデマンド型授業 |
14 |
14)偶然から選択へ ・・・トランス・ヒューマニズムの諸実践は、これまで偶然であったもの、それゆえに許されてきたものを選択に変えることで、責任を増大させている。これは不可避な推移なのか、それを概説する。(A-1-1) 【事前学習】Blackboard上で配布する教材を利用し,疑問点をまとめておく。 (1時間) 【事後学習】授業内容の確認課題をこなし、授業の要点をノート等にまとめる。 (3時間) 【授業形態】オンデマンド型授業 |
15 |
15)設計の倫理:代替することと、補完すること ・・・講義を振り返り、どのような実践であれば望ましいと言えるのかを、代替と補完というカテゴリを示しながら、総括する。(A-1-1) 【事前学習】本授業で学んだことをノート等にまとめる。 (2時間) 【事後学習】授業内容の確認課題をこなし、トランスヒューマニズムの思想と実践について自分の考えを整理する。 (2時間) 【授業形態】オンデマンド型授業 |
その他 | |
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教科書 | 指定する教科書はありません。 |
参考書 | マーク オコネル 『トランスヒューマニズム: 人間強化の欲望から不死の夢まで』 作品社 2018年 イブ・ヘロルド 『Beyond Human 超人類の時代へ 今、医療テクノロジーの最先端で』 ディスカヴァー・トゥエンティワン 2017年 ラメズ・ナム 『超人類へ! バイオとサイボーグ技術がひらく衝撃の近未来社会』 河出書房新社 2006年 |
成績評価の方法及び基準 | レポート:3回の課題研究レポートにより評価を行う。(75%)、授業内テスト:授業内容の習熟度を確認する課題(毎回)の評価を行う。(25%) |
オフィスアワー | Blackboard上にUPする資料に付されたリンク(Googleフォーム形式)に、質問を受け付ける欄を設ける。重要な質問については、Blackboardを通じて、全体に回答する。 |
備考 | 【初回講義開始までに、当該授業のBlackBoardのコース登録を行うこと。】 シラバスの内容は履修生の学修の状況を考慮して、変更することもある。 履修希望者が多数となる場合は、抽選を行う。 |