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教育原論

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令和2年度以降入学者 教育原論
令和元年度以前入学者 教育原論
教員名 髙橋智
単位数    2 学年    2 開講区分 文理学部
科目群 コース科目
学期 前期 履修区分 選択
授業の形態 対面授業
Blackboard ID:水曜3限→20221615 水曜5限→20221616
授業概要 教育を成立させる諸要素(子ども・教師・学校・家庭・家族・社会・思想・概念等)を歴史的視点から理解し、現代の教育課題を考える。その際のポイントは以下の通りである。①教育学の諸概念・本質・目標を理解している。②著名な教育家の思想を理解している。③近代学校・近代教育制度の成立と展開を理解している。④教育が成立するための要素である子ども・教師・学校・家庭・家族・社会等の相互関係や思想・歴史を理解している。⑤歴史的な視点から現代における教育課題を理解している。
 なお、国の教育政策や学習指導指導要領・学校教育実践等において「共生社会に向けたインクルーシブ教育」の推進が強く求められている。それゆえに本講義においても、特別支援教育・インクルーシブ教育の視点・内容をふまえながら進めていく。
授業のねらい・到達目標 授業のねらい:教育の基本的概念は何か、また、教育の理念にはどのようなものがあり、教育の歴史や思想において、それらがどのように現れてきたかについて学ぶとともに、これまでの教育及び学校の営みがどのように捉えられ、変遷してきたのかを理解する。国の教育政策や学習指導指導要領・学校教育実践等において「共生社会に向けたインクルーシブ教育」の推進が強く求められているため、本講義においても、特別支援教育・インクルーシブ教育の視点・内容をふまえながら進めていく。
到達目標:仮説に基づく課題や問題を提示し,客観的な情報を基に,論理的・批判的に考察することの重要性を説明できる(A-1-2,A-8-2)。事象を注意深く観察して,解決すべき問題を認識できる(A-2-2,A-4-2)。

<ディプロマポリシーとの関係>
この科目は文理学部(学士(教育学))のディプロマポリシーDP1,DP2,DP4,DP8及びカリキュラムポリシーCP1,CP2,CP4,CP8に対応している。
授業の方法 (1)授業の形式:講義
(2)具体的な授業方法
①本講義は授業日に「Blackboard」にて講義資料と課題を配布する。
②各回の講義において課題をBlackboardにて指示するので期限内に提出する。課題提出をもって出席扱いとする。課題についてはBlackboardにてフィードバックする。
③成績評価は14回分の課題提出(5点・14回:70点)と最終レポート30点の合計100点により行う。なお、単位取得おいて最終レポート提出は不可欠である。
④対面授業に参加できない学生の代替方法・要件:急病・実習・インターンシップ等の諸事情により対面授業に参加できない場合、対面授業終了後にBlackboard に記載している期日までに動画資料を視聴し、課題を提出する。
授業計画
1 教育原論の基本テーマを「感染症・災害の時代に子どもの発達を支える教師をめざす」として、子どもの多様な「生活・学習・発達の困難」に社会・学校・教師がどのように向き合ってきたのかについていろいろな視点から検討して講義を進めていきます。
【事前学習】Blackboardから講義資料をダウンロードして予習する。 (2時間)
【事後学習】講義資料を復習しながら受講ノートの加筆修正を行い、 提示された課題に取り組む (2時間)
2 東日本大震災が子どもに与えた心理的影響と発達支援の課題について検討します。
【事前学習】Blackboardから講義資料をダウンロードして予習する。 (2時間)
【事後学習】講義資料を復習しながら受講ノートの加筆修正を行い、 提示された課題に取り組む (2時間)
3 コロナ禍における子どもの発達困難の状況と教育・発達支援の課題について検討します。
【事前学習】Blackboardから講義資料をダウンロードして予習する。 (2時間)
【事後学習】講義資料を復習しながら受講ノートの加筆修正を行い、 提示された課題に取り組む (2時間)
4 北欧諸国(スウェーデン・デンマーク・ノルウェー・フィンランド・アイスランド)におけるコロナ禍と子どもの発達危機に関する動向について検討します。
【事前学習】Blackboardから講義資料をダウンロードして予習する。 (2時間)
【事後学習】講義資料を復習しながら受講ノートの加筆修正を行い、 提示された課題に取り組む (2時間)
5 130年前の濃尾大地震(1891年)の災禍により困難・障害を抱えた子どもを救済・養育・教育した石井亮一の実践について検討します。
【事前学習】Blackboardから講義資料をダウンロードして予習する。 (2時間)
【事後学習】講義資料を復習しながら受講ノートの加筆修正を行い、 提示された課題に取り組む (2時間)
6 明治期の東京において、貧困・児童労働・疾病・障害・不就学等として放置されていた多数の子どもに対して、教師・学校がどのように向き合い、子どもの多様な「学習と発達の困難」に取り組んでいたのかを検討します。
【事前学習】Blackboardから講義資料をダウンロードして予習する。 (2時間)
【事後学習】講義資料を復習しながら受講ノートの加筆修正を行い、 提示された課題に取り組む (2時間)
7 大正期の東京において、貧困・疾病・障害・不就学等として放置されていた多数の子どもに対して、教師・学校がどのように向き合い、子どもの多様な「学習と発達の困難」に取り組んでいたのかを検討します。
【事前学習】Blackboardから講義資料をダウンロードして予習する。 (2時間)
【事後学習】講義資料を復習しながら受講ノートの加筆修正を行い、 提示された課題に取り組む (2時間)
8 戦前の大阪において、貧困・疾病・障害・不就学等として放置されていた多数の子どもに対して、教師・学校がどのように向き合い、子どもの多様な「学習と発達の困難」に取り組んでいたのかを検討します。
【事前学習】Blackboardから講義資料をダウンロードして予習する。 (2時間)
【事後学習】講義内容を参考にノート・資料等の加筆・修正を行い、 課題を整理する (2時間)
9 100年前のスペイン風邪パンデミック下における日本の子どもの実態と学校教育の対応について検討します。
【事前学習】Blackboardから講義資料をダウンロードして予習する。 (2時間)
【事後学習】講義資料を復習しながら受講ノートの加筆修正を行い、 提示された課題に取り組む (2時間)
10 ペスタロッチ(1746-1827)は貧児学校教育・民衆教育を通して、当時の最も困難な状況にある子どもの成長・発達と自立を促す教育を通して、すべての子どもの成長・発達の可能性を見出すとともに、子どもが夢や希望をもって生きていけるような社会の創出を目指しましたが、その生涯について検討します。
【事前学習】Blackboardから講義資料をダウンロードして予習する。 (2時間)
【事後学習】講義資料を復習しながら受講ノートの加筆修正を行い、 提示された課題に取り組む (2時間)
11 19世紀のフランスやアメリカにおける深刻な社会問題の解消の一環として、貧しい階層のなかでも一層 悲惨な生活を強いられていた知的障害の子どもの発達や自立の可能性を引き出す教育実践に取り組んできたエドゥワール・セガン(Édouard Séguin、1812年~1880年)の思想と実践について検討します。
【事前学習】Blackboardから講義資料をダウンロードして予習する。 (2時間)
【事後学習】講義資料を復習しながら受講ノートの加筆修正を行い、 提示された課題に取り組む (2時間)
12 イタリアの医師・教育家のマリア・モンテッソーリ(1870-1952)をてがかりに、貧困・虐待・疾病・障害等に伴う子どもの発達困難にどのように向き合い、救済・教育に取り組んでいたのかを検討します。
【事前学習】Blackboardから講義資料をダウンロードして予習する。う (2時間)
【事後学習】講義資料を復習しながら受講ノートの加筆修正を行い、 提示された課題に取り組む (2時間)
13 デューイ教育学の本質は、子ども一人ひとりの能力や発達を見極め(常に、繰り返し)、学びの履歴を詳細に記録し、教師たちと共に丹念に検証しながら、「集団の誰も」が学べるような学びの内容や教材・教具、方法を開発していくことを核とします。ジョン・デューイの教育学形成において、19世紀末のシカゴの児童教育問題やハル・ハウスのソーシャルセツルメントの実践との関係性について検討します。
【事前学習】Blackboardから講義資料をダウンロードして予習する。 (2時間)
【事後学習】講義資料を復習しながら受講ノートの加筆修正を行い、 提示された課題に取り組む (2時間)
14 デューイ実験学校と教育実践の展開について、①実験学校におけるカリキュラム編成、②実験学校における児童研究と子どもの健康・保健問題への取り組み、③デューイ教育学と特別な教育的配慮の原理について検討します。
【事前学習】Blackboardから講義資料をダウンロードして予習する。 (2時間)
【事後学習】講義資料を復習しながら受講ノートの加筆修正を行い、 提示された課題に取り組む (2時間)
15 知能検査法の開発で著名なフランスの心理学者のアルフレット・ビネ(1857~1911)が19世紀末から20世紀初頭のフランスの貧しい子どもや遅れのある子どもの発達をどのように捉え、彼らの成長・発達を支える教育をどのように促進しようしていたのかを検討します。
【事前学習】「Blackboardから講義資料をダウンロードして予習する。 (2時間)
【事後学習】講義資料を復習しながら受講ノートの加筆修正を行い、 提示された課題に取り組む (2時間)
その他
教科書 教科書は特に定めず、講義資料の配布やダウンロードして入手すべき文献・資料等を指示する。
参考書 勝野正章・庄井良信 『問いからはじめる教育学』 有斐閣 2015年
岩下誠・三時眞貴子・倉石一郎・姉川雄大 『問いからはじめる教育史』 有斐閣 2020年
髙橋智・加瀬進監修/日本特別ニーズ教育学会編  『現代の特別ニーズ教育』 文理閣 2020年
細尾萌子・柏木智子編集代表  『小学校教育用語辞典』 ミネルヴァ書房 2021年
そのほか参考となる文献・資料等については講義において随時紹介する。
成績評価の方法及び基準 レポート:講義全体の学びを通じて作成する最終レポートの内容による評価(単位取得おいて最終レポート提出は不可欠)(30%)、授業参画度:各回の課題の提出状況と内容による評価(70%)
成績評価は14回分の課題(5点・14回:70点)と最終レポート30点の合計100点により行う。なお、単位取得おいて最終レポート提出は不可欠である。
オフィスアワー メール、Blackboardを用いて質疑応答を行います。
備考 講義担当者(文理学部教育学科教授・博士(教育学)・東京学芸大学名誉教授・放送大学客員教授)の専門は特別支援教育・特別ニーズ教育・当事者研究・発達教育学・特別教育史・北欧特別教育ケア・矯正教育等であり、40年以上にわたり、当該分野の理論と実践に取り組んできました。これまで法務省矯正局外部アドバイザー・日本特別ニーズ教育学会代表理事・日本特殊教育学会副理事長・地域自立支援協議会会長・児童発達支援センター運営協議会会長等の社会的活動を行いながら、現在も小中学校の巡回発達相談、児童発達支援センター・少年院・N歯科大学病院口腔リハビリテーション摂食外来等における発達相談臨床に取り組んでいます。またこれまでに20数回にわたり北欧福祉国家(スウェーデン、ノルウェー、アイスランド、フィンランド、デンマーク)への訪問調査・学術交流を行いましたので、それらの研究成果や臨床経験ををふまえながら講義を進めていきます。

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