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令和2年度入学者 | 東洋史特殊講義3 | ||||
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令和元年度以前入学者 | 東洋史特殊講義3 | ||||
教員名 | 須江隆 | ||||
単位数 | 2 | 課程 | 前期課程 | 開講区分 | 文理学部 |
科目群 | 史学専攻 | ||||
学期 | 前期 | 履修区分 | 選択必修 |
授業の形態 | オンデマンド型の遠隔授業(12回)と課題研究(3回)を組み合わせる。 |
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授業概要 | 中国史上の宋代は、「唐宋変革」という概念から明らかなように、一大変革期であったことは間違いない。しかしこれまでは唐代との比較に重点が置かれ、300年間余り続いた宋代の時代性の把握が充分ではなかった。加えて、視点と史料の問題から地域史研究が不充分で、当時の生き生きとした地域性や日常性が殆ど解明されてこなかった。この授業では、「宋代中国の時代性・地域性・日常性」というテーマを設定し、地方志や碑文史料に加え、筆記史料『夷堅志』に着目し、それらの史料性を吟味した上で、宋代の時代性の推移や地域性・日常性の解明を目指す。 |
授業のねらい・到達目標 | 授業担当者の研究成果を開示していく講義を通じて、中国史上における宋代の時代性・地域性・日常性を理解し、現実を見つめ直すことを目的とする。 ①「唐宋変革」論と「両宋画期」論に関する理解を深め、宋代史研究の現状と課題を説明することができる。 ②地方志・碑文・筆記の史料としての特質を理解し、それらを具体的に説明することができる。 ③嘗ての中国地域社会の日常に関わる実態を学び、関連する現代社会が直面する問題を抽出し、歴史的視点から見つめ直すことができる。 ④宋代社会史研究を具体的事例とした中国史研究の視点や手法を学び、修士論文の作成に向けた一連の研究方法を自ら参考にすることができる。 |
授業の方法 | 遠隔授業ではBlackboardを用い、音声付きのPowerPoint資料教材(1回につき5~10分程度×1~3本)や課題用の資料を5月11日から8月1日までの授業実施日(12回)に配信する。受講者はそれらの教材を視聴・読解して学修し、課題を期日までにまとめて所定の方法で提出すること。なお、Blackboardの「掲示板」機能を使って質疑応答や受講者同士の議論の機会を提供する。また13回目以降は課題研究とし、最終的なレポート課題作成に向けた指導をBlackboardの「掲示板」機能を使って行い、15回目の授業実施日に提出してもらう。 *履修者は初回講義開始までにBlackboardのコース登録をすること。受講者への連絡はBlackboardの“連絡事項”欄に掲示するので随時確認すること。 |
授業計画 | |
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1 |
授業ガイダンス(オンデマンド授業) 授業の進め方や到達目標などを説明する。また授業担当者の自己紹介を兼ねて、これまでの研究履歴に言及する。 【事前学習】シラバスを熟読して、授業概要や到達目標などを理解しておくこと。 (1時間) 【事後学習】授業の内容をノートに整理し、特に授業の到達目標への理解を深めておくこと。 (2時間) |
2 |
中国史上の宋代(オンデマンド授業) 中国史上の宋代が、これまでにどのような時代と捉えられてきたのかを、「唐宋変革論」や「両宋画期論」などに即して解説する。 【事前学習】「唐宋変革論」と「両宋画期論」の理解に向けて、各用語の概念を参考書などで調べておくこと。 (2時間) 【事後学習】配信資料を参照しながら授業の内容をノートに整理し、「唐宋変革論」と「両宋画期論」についての概要や課題を説明できるようにしておくこと。 (2時間) |
3 |
宋代地域史研究の視点(オンデマンド授業) これまでの宋代地域史研究の視点と史料の問題について解説する。 【事前学習】配信資料の該当箇所に一通り目を通してくること。 (2時間) 【事後学習】配信資料を参照しながら授業の内容をノートに整理し、授業内容の理解に努めること。 (2時間) |
4 |
宋代地域史料研究の現状と課題Ⅰ(オンデマンド授業) 地方志及び石刻史料について説明し、それら地域史料の活用の現状と課題に言及する。 【事前学習】配信資料の該当箇所に一通り目を通してくること。 (2時間) 【事後学習】配信資料を参照しながら授業の内容をノートに整理し、授業内容の理解に努めること。 (2時間) |
5 |
宋代地域史料研究の現状と課題Ⅱ(オンデマンド授業) 筆記史料『夷堅志』とその著者洪邁について説明し、『夷堅志』研究の現状と課題に言及する。 【事前学習】配信資料の該当箇所に一通り目を通してくること。 (2時間) 【事後学習】配信資料を参照しながら授業の内容をノートに整理し、授業内容の理解に努めること。 (2時間) |
6 |
寧波の地域性を探るⅠ(オンデマンド授業) 海港都市寧波を事例として、当地で編纂された地方志とそこに記載された言説を分析する。 【事前学習】配信資料の該当箇所に一通り目を通してくること。 (2時間) 【事後学習】配信資料を参照しながら授業の内容をノートに整理し、授業内容の理解に努めること。 (2時間) |
7 |
寧波の地域性を探るⅡ(オンデマンド授業) 海港都市寧波を事例として、当地で語り継がれれた記憶と地域性を探る。 【事前学習】配信資料の該当箇所に一通り目を通してくること。 (2時間) 【事後学習】配信資料を参照しながら授業の内容をノートに整理し、授業内容の理解に努めること。 (2時間) |
8 |
寧波の地域性を探るⅢ(オンデマンド授業) 海港都市寧波を事例として、当地で刻石された地域の言説を分析する。 【事前学習】配信資料の該当箇所に一通り目を通してくること。 (2時間) 【事後学習】配信資料を参照しながら授業の内容をノートに整理し、授業内容の理解に努めること。 (2時間) |
9 |
寧波の地域性を探るⅣ(オンデマンド授業) 海港都市寧波を事例として、当地で刻石された地域の言説を手掛かりにして寧波の民間信仰の世界を探る。 【事前学習】配信資料の該当箇所に一通り目を通してくること。 (2時間) 【事後学習】配信資料を参照しながら授業の内容をノートに整理し、授業内容の理解に努めること。 (2時間) |
10 |
『夷堅志』の世界を探るⅠ(オンデマンド授業) 『夷堅志』とそれが書かれた時代について解説する。 【事前学習】配信資料の該当箇所に一通り目を通してくること。 (2時間) 【事後学習】配信資料を参照しながら授業の内容をノートに整理し、授業内容の理解に努めること。 (2時間) |
11 |
『夷堅志』の世界を探るⅡ(オンデマンド授業) 宋代中国の時代性・地域性・日常性の把握に向けた『夷堅志』活用の可能性について解説する。 【事前学習】配信資料の該当箇所に一通り目を通してくること。 (2時間) 【事後学習】配信資料を参照しながら授業の内容をノートに整理し、授業内容の理解に努めること。 (2時間) |
12 |
『夷堅志』の世界を探るⅢ(オンデマンド授業) 『夷堅志』に見える占いに関する逸話を手掛かりに、当時の都市住民の信心の世界を探る。 【事前学習】配付資料の該当箇所に一通り目を通してくること。 (2時間) 【事後学習】配付資料を参照しながら授業の内容をノートに整理し、授業内容の理解に努めること。 (2時間) |
13 |
レポート課題の作成に向けてⅠ(課題研究) レポート課題を提示し、作成に向けたポイントや要領などを解説する。 【事前学習】全ての配信資料やノートに一通り目を通し、これまでの全ての授業内容を振り返り、自らの学びの姿勢や質問事項を抽出してくること。 (2時間) 【事後学習】配信資料を参照しながら授業の内容をノートに整理し直し、自身の本授業への取り組みの姿勢や学び得たことを再認識しておくこと。あわせてレポート完成に向けた作業に従事すること。 (2時間) |
14 |
レポート課題の作成に向けてⅡ(課題研究) レポート課題作成に向けての質疑応答や添削指導に応じる。 【事前学習】全ての配信資料やノートに一通り目を通し、これまでの全ての授業内容を振り返り、自らの学びの姿勢や質問事項を抽出してくること。 (2時間) 【事後学習】配信資料を参照しながら授業の内容をノートに整理し直し、自身の本授業への取り組みの姿勢や学び得たことを再認識しておくこと。あわせてレポート完成に向けた作業に従事すること。 (3時間) |
15 |
授業の総括と振り返り(課題研究) これまでの授業のまとめをし、講義内容の理解を深める。またレポート課題を提出する。 【事前学習】シラバスを参照し、授業の到達目標を確認しておくこと。前回の授業で提示されたレポート課題を行うこと。 (2時間) 【事後学習】授業の到達目標の達成度を自己点検すること。 (2時間) |
その他 | |
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教科書 | 授業で使用する諸資料をBlackboardで配信する。 |
参考書 | 伊原弘・静永健共編 『南宋の隠れたベストセラー『夷堅志』の世界 (アジア遊学181)』 勉誠出版 2015年 第1版 伊原弘・市來津由彦・須江隆共編 『中国宋代の地域像 ー比較史からみた専制国家と地域ー』 岩田書院 2013年 第1版 須江隆編 『碑と地方志のアーカイブズを探る (『東アジア海域叢書』 6)』 汲古書院 2012年 第1版 その他については、随時紹介する。 |
成績評価の方法及び基準 | レポート(50%)、授業参画度(50%) 授業参画度は、オンデマンド教材の視聴及び質疑応答の状況と課題の回答状況で評価する。 |
オフィスアワー | Blackboardを通じての質問には直接回答するか、音声授業の際に回答する。 |