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科目名 | 宇宙科学 | ||||
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教員名 | 栗田敬 | ||||
単位数 | 2 | 学年 | 1~4 | 開講区分 | 文理学部 |
科目群 | 総合教育科目 | ||||
学期 | 前期 | 履修区分 | 選択 |
授業概要 | 全体の授業を通じての主題は宇宙におけるHabitabilityの問題である.「Habitability」は居住性と訳されるが宇宙科学では生命生存可能性の意味で用いられている.宇宙の中での生命の存在可能な場とは何処か?と言う問いに答える形で宇宙の構成要素:恒星、惑星、衛星、銀河の解説を行う.特に近年研究が進んでいる系外惑星に焦点をあて、そのHabitabilityが母星の種類や年齢、属している銀河の特徴などにどのように依存しているのかの解説を行う.生命生存可能な条件とはなにか?、その物理的背景の理解がメインテーマである. |
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授業のねらい・到達目標 | 「宇宙」は我々の日常生活の実感として捉えることが難しい対象であり、常識が通用しない世界である.本講義ではHabitability・生命生存可能性を軸に、我々の住む地球を参照にして理解しやすい形で授業を進める.地球の外側の世界の理解を通して「地球に生きる」とはどういうことなのかを見つめ直すことが本講義の到達目標である.文化系履修者も考慮し詳細な数式は使わない.自分の言葉で考える、背景の物理・「ものの理」の理解し、説明できるようになる。 この科目は文理学部(学士(理学))のディプロマポリシーDP1, DP3 及びカリキュラムポリシーCP2, CP9に対応しています。 |
授業の方法 | 通常の講義形式をとるが、Interactive に進めるために毎回講義の主題を問題として提示し、それに答える形で講義を進める.宇宙関係の話題はニュースとして新聞やテレビで取りあげられる機会も多い.授業ではこのような時事ネタも取りあげて解説をし、身近な話題として紹介も行う.講義内容や気がついた点を記す講義ノートを取ることをもとめる.講義を聞き、分かった気になっても後に何も残らない.自分の言葉で記したノートやメモは、たとえそれが教官の似顔絵や落書きであっても、後の考察に大変重要であるというのが私の信念である.そのため講義では資料、ノートなどの配布は行わない.講義資料はweb 上に公開するが、それだけを見ても分からない. 本授業の事前・事後学習は,各2時間の学習を目安とします。 |
履修条件 | なし |
授業計画 | |
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1 |
Habitability とはなにか?:habitable condition、地球上の生命の居場所、生命の起源、本講義が目指す点の解説 準備:なし 事後学習:Habitability の必要条件とは何か? |
2 |
太陽系の中でのhabitability I: 表層環境、地球の環境、水の相図、水の重要性、水の存在域 準備:「Habitable Condition」とは何か 事後学習:水の3態とは何か?、なぜそれがHabitabilityには重要か? |
3 |
エネルギー伝達機構:惑星の表層環境の物理条件、磁場の遮蔽効果、大気の遮蔽効果、惑星の表層温度の決まるメカニズム、大気の役割 準備:なぜ水が重要なのか?、水の相図の理解、何故地球だけが特別なのか? 事後学習:熱の伝達様式の3種類はどのような特徴を持っているのか? |
4 |
太陽系の中でのhabitability II :氷衛星、太陽系の構成員、氷衛星の世界、地球生命の起源 準備:熱の伝達様式、放射伝達とはなにか? 事後学習:氷衛星はなぜHabitabilityに重要なのか? |
5 |
Exoplanet I:検出法、存在例、軌道要素、ケプラーの法則、惑星系の検出方法、系外惑星の種類と太陽系との比較 準備:なぜ氷衛星が重要なのか? 事後学習:transit 法とは何か? |
6 |
Exoplanet II:Habitability、系外惑星の軌道、表層環境、大気の特性、役割 準備:系外惑星はどのように検出するのか? 事後学習:惑星の表層温度はどのように決まるのか? |
7 |
光の基礎:スペクトルの基礎、温度と赤外線、Exoplanet 母星の重要性、大気の検出方法、吸収線 準備:Habitability と惑星の軌道の関係 事後学習:光と温度の関係は? |
8 |
星の分類・種族・特性:太陽はどのような星か?、太陽に最も近い星、主系列星、星の色 準備:スペクトルとはなにか?、系外惑星の大気をどのように検出するのか? 事後学習:星の分類法はどのような原理に基づいているのか? |
9 |
恒星の内部構造:エネルギー源、進化、星団、化学組成、星内部の温度・圧力・密度、核融合反応、ケルビン卿の間違い 準備:主系列星とは何か? 太陽の内部構造は? 事後学習:恒星の光る原理は何か? |
10 |
星の誕生と惑星系の誕生:太陽系の形成、初期状態、生まれたばかりの星 準備:星の輝きのエネルギー源とはなにか? 事後学習:恒星と惑星は何がちがうのか? |
11 |
星の終末:高エネルギー現象、超新星爆発、中性子星、元素合成、超新星爆発の痕跡 準備:星の生まれるところはどのようなところか? 事後学習:恒星の最後にはどのようなものがあるのか?、何によって決まっているのか? |
12 |
Galactic Habitability:銀河の中の位置、銀河の進化と構造 準備:星の一生とHabitabilityの関係は? 事後学習:銀河までの距離はどのように決めるのか? |
13 |
宇宙における生命の起源:パンスペルミア説、A.C.クラークのモデル、宇宙における生命誕生の場とは? 準備:銀河の年齢とは? 事後学習:地球、宇宙の生命の起源を考えてみよう. |
14 |
授業の理解度確認の試験 準備:今までの講義の流れをノートに基づき復習しておくこと |
15 |
試験結果の検討と解説:試験の内容の解説と講義全体を通じての質問に答える. 準備:講義のノートを読み返し、質問事項を用意しておくこと. |
その他 | |
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教科書 | 教科書は使用しない. |
参考書 | M.Seeds, D.Backman, 有本信雄 監訳 『最新天文百科、宇宙・惑星・生命をつなぐサイエンス』 丸善 2010年 第11版 阿部豊 『生命の星の条件を探る』 文春文庫 2018年 「最新天文百科、宇宙・惑星・生命をつなぐサイエンス」は何でも書いてあるスタイルの米国の標準的な教科書.「生命の星の条件を探る」はHabitability に焦点を当てた良書. |
成績評価の方法及び基準 | 試験(60%)、授業内テスト(40%) 試験や授業内テストでは内容の正確性もさることながら、自分の言葉で表現されているかという点をもっとも重視する. |
オフィスアワー | 講義終了後.e-mail での問い合わせは随時受け付ける. |
備考 | 事前学習として前回の講義内容を復習して講義に臨むことを望む.授業計画に記した準備項目が前回の講義の中心となる項目であり、当日の講義はそれを受けて進める.講義の流れに集中することを望む.講義での疑問点の記入を求める小レポートを講義終了時に求め、次回講義開始時にフィードバックを行う. |