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物理学3

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科目名 物理学3
教員名 川上隆輝
単位数    2 学年     開講区分 文理学部
学期 後期 履修区分 選択
授業概要 高校物理の原子・分子の世界を復習しながら,ミクロな物理をできる限る数式を少なくして,イラストなどを用いた解説でイメージできるようにする。また,研究,エネルギー,医療などの分野で放射線の利用は欠かせない。本授業では,放射線の種類や性質などについても物理の視点から教える。
授業のねらい・到達目標 電子,原子,分子などのミクロな世界を学生が自ら物理法則を適用し,自然科学の振る舞いを考察できるようになることを目的とする。さらに,研究をする上で、X線などの放射線を利用する機会が増えている。放射線をやみくもに怖がるのではなく,正しく理解し,安全に取り扱える知識も身につくようにする。
この科目は文理学部(学士(理学))のディプロマポリシーDP1,DP3及びカリキュラムポリシーCP2,CP6に対応しています。
授業の方法 板書で講義を行い。必要に応じてプリントを配布する。
本授業の事前・事後学習は、各2時間の学習を目安とします。
履修条件 履修条件ではないが,高校物理を基礎知識(エネルギー保存則や運動量保存則など)が身についていれば十分に理解できる授業を展開する。
授業計画
1 ガイダンス(授業テーマや到達目標および授業の進め方について説明する。残りの時間で,次週から授業で展開するミクロな物理の世界を垣間見てもらうが,日常生活とかけ離れ,普段の生活と考え方を切り替える必要がある場面が度々登場する。このようなミクロな世界の物理を学ぶことに興味を持ち,授業に出席する意味がもてるかどうか判断する材料にしてもらう)
[事前学習]授業で最低限必要な知識であるエネルギー保存則と運動量保存則について高校の知識を整理して授業の準備を行う。
[事後学習]エネルギー保存則と運動量保存則を用いて説明される物理現象を調べる。
2 粒子性と波動性(電子がどのように発見されたかについて学ぶ)
[事前学習]電子がいつごろ発見されたが調べる。
[事後学習]電子の存在がどのような実験で明らかにされたか。授業内容を復習し調べる。
3 光の実体(光の性質について学ぶ)
[事前学習]光の性質,例えば,回折,屈折等,高校で学んだ知識を整理し,授業に備える。
[事後学習]授業で学んだ,光(電磁波)について,波長,振動数,エネルギーがどのような関係式で結びついているか復習する。
4 光電効果(光の粒子性について学ぶ)
[事前学習]光を弱くしていくと最終的にはどのような状態になるか調べ、考察する。
[事後学習]光電効果を考えるとき,光は粒子として考えなければならない理由を自分なりにまとめ,説明できるようにする。
5 エネルギー量子と量子論の誕生(プランクの理論,発想について学ぶ)
[事前学習]宇宙の温度はどのようにして測られるのか,調べる。
[事後学習]プランクは,空洞放射の強度分布を説明するにあたって,どのような考えに至ったのか自分なりにまとめ,説明できるようにする。
6 原子模型(ラザフォードの原子模型とその模型の不安定性の問題について学ぶ)
[事前学習]原子はどんな粒子か構成され,安定に存在するためにはそれぞれの粒子がどのように原子内で配置されるのがよいか考察する。
[事後学習]ラザフォード模型の問題点は何か,納得し,どうすれば解決できるか考察する。
7 原子の構造と量子論(水素原子の線スペクトルの離散性について学ぶ)
[事前学習]自動車道路などで使われるナトリウムランプがどうして黄色く輝いているのか調べる。
[事後学習]連続スペクトルと線スペクトルの違いから何が分かるのか理解し、説明できるようにする。
8 水素原子のエネルギー準位の量子化(ボーアの理論について学ぶ)
[事前学習]エネルギー準位とは何か調べる。
[事前後習]ボーアの仮説は,本当にラザフォードの原子模型を矛盾なく説明しているか考察する。
9 物質波(ド・ブロイの仮説とボーア理論の限界について学ぶ)
[事前学習]物質(電子)は波動性をもつこともあるかどうか調べ,波動性を持つのであれば,どのようなときに波動性を示すか考える。
[事後学習]ド・ブロイの電子の波動性の考え方は,ボーアの仮説を矛盾なく説明することができたかどうか考察する。
10 ハイゼンベルクの不確定性(量子力学では対象物の位置と運動量を同時に確定できないことについて学ぶ)
[事前学習]量子(りょうし)という言葉について,物理学でどのように扱われているか調べる。
[事後学習]量子力学では対象物の位置と運動量を同時に確定できないことを理解し,説明できるようにする。
11 シュレディンガー方程式(ミクロの世界では確率的にしか観測結果を予想できないことについて学ぶ)
[事前学習]シュレディンガーという物理学者はどんな物理の発見に貢献したか調べる。
[事後学習]確率的にしか観測結果を予想できないのはなぜか,理解し,説明できるようにする。
12 水素原子(量子力学を用いて水素原子が説明される方法について学ぶ)
[事前学習]水素原子を考えるとき、太陽のまわりを惑星がまわるように原子核のまわりを電子がまわっているというイメージが間違っている理由を考える。
[事後学習]電子雲という考え方がなぜよいのか,理解し,説明できるようにする。
13 原子と原子核から放出される放射線(原子核がイメージできるようになり,安定な原子核と不安定な原子核の違いを学ぶ)
[事前学習]原子核は,陽子と中性子でできているが,どうして安定して原子核を構成できるのか調べる。
[事後学習]安定な原子核と不安定な原子核が存在する理由を理解し,説明できるようにする。
14 放射線の種類と放射線の放出のされ方(α線,β線,γ線,X線,中性子線について学ぶ)
[事前学習]放射線の種類と性質を調べる。
[事後学習]放射線を分類し,被ばくを減らしながら放射線を利用する大切さを理解し,説明できるようにする。
15 放射線がもつエネルギー(放射線のエネルギーと人体への影響について学ぶ)
[事前学習]放射線のエネルギーがどれくらい高いのか,太陽光のエネルギーを調べ,比較する。
[事後学習]放射線の人体への影響を理解し,放射線を医療,エネルギー,研究などの分野で上手に利用できる方法を考察する。。
その他
教科書 使用しない
参考書 使用しない
成績評価の方法及び基準 授業内テスト(50%)、授業参画度(50%)
授業内テスト:授業内テストは直筆ノートと配布プリントのみ持ち込みを認める。ノートをよくまとめておくことで,テスト対策となる。
授業参画度(授業内容の質問等)と試験の結果を総合して成績を評価する。ただし出席回数が十分でない場合は成績評価の対象としない。
オフィスアワー 授業終了後

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