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平成30年度以降入学者 | 学習・言語心理学 | ||||
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平成29年度以前入学者 | 学習心理学 | ||||
教員名 | 真邉一近 | ||||
単位数 | 2 | 学年 | 2~4 | 開講区分 | 文理学部 |
学期 | 前期 | 履修区分 | 選択必修 |
授業概要 | ヒトやヒト以外の動物は、周りの環境(組織や社会等の人的環境も含む)に働きかけ、その結果として利益を得たり、不利益を得たりしている。過去にどのような結果を得たかによって、その後の振る舞い方が変化する。この経験による振る舞い方の変化は、「学習」と呼ばれ、環境との相互作用で形成される振る舞い方のことを「行動」と呼ぶ。学習心理学では、行動を変化させる「行動の原理」と呼ばれる環境要因(行動に対する結果や前提条件等)を概説し、環境を整えることにより、個人や社会にとってより良い行動を形成する方法について講義する。また、言語行動はヒトに特有な行動である。本講義では、言語習得のメカニズムと言語教示による行動変容についても概説する。 |
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授業のねらい・到達目標 | 【公認心理師受験資格取得に必要な科目】 心理学の目的は、ヒトやヒト以外の動物の「行動」の予測と制御と説明である。ヒトやヒト以外の動物の行動は、環境との相互作用によって変化することを学習し、ヒトやヒト以外の動物にとってより良い環境とは何かを考えられるようになることを目的とします。到達目標は、以下の4点になります。 1.ヒトやヒト以外の動物の行動には、遺伝的に決定されている生得的行動と、経験によって形成・変容する習得的行動があり、生得的行動には、反射、走性、動性、本能的行動があることを明確に述べ、それぞれの定義について説明できるようになる。さらに、反射や走性は、どの様な分野で応用されているか例示できるようになる。 2.行動が形成・変容するための経験として、1)実体験、2)観察、3)言語的教示の3種があり、1)実体験には、非連合学習と連合学習、2)観察には、局所・刺激強調、観察条件づけ、模倣学習があり、3)言語的教示には、トラッキング、プライアンス、オーギュメンティングがあることを説明できるようになる。さらに、それぞれの、経験(学習)の応用例をあげられるようになる。 3.言語的教示に従う行動は、ルール支配行動と呼ばれ、ヒトに特有な学習である。ルール支配行動がヒトの文化や科学へ貢献したポジティブな面と、ルール支配行動によって詐欺にあったり、うつなどの精神疾患などに罹患し不幸になるネガティブな面について例示し、ルール支配行動の観点からインターネットリテラシー等、批判的に文字情報等の言語的教示に接することの必要性を説明できるようになる。 4.言語はヒトに特有であるが、その習得機序と機能について説明できるようになる。 この科目は文理学部(学士(心理学))のディプロマポリシーDP2,DP3,DP4及びカリキュラムポリシーCP9に対応しています。 |
授業の方法 | テキスト「ポテンシャル学習心理学」の内容に沿って、パワーポイントでスライドを表示しながら講義を進めて行きます。授業では、テキストに掲載載できない実験場面を記録した動画や音声を、PCを利用して具体的に紹介します。 本授業の事前・事後学習は,各2時間の学習を目安とします。 |
授業計画 | |
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1 |
学習(学習・言語)心理学概説導入:学習(学習・言語)心理学とは何か?その目的と研究の枠組みについて概説する。 【事前学習】 テキストの序文とおよび第1章を読み、学習(学習・言語)心理学の目的と研究の枠組みについて、概略を理解する。 【事後学習】 テキストを再度読み、生得的行動と習得的行動および行動変容の原因となる経験の種類にはどの様なものがあるかどうか例示できるようになる。 |
2 |
1.実体験による行動変容:生得的行動と初期学習について概説する。 【事前学習】 テキストの第1章で解説されている生得的行動と初期学習について、どの様なものがあるか概略を理解する。 【事後学習】 テキストを再度読み、生得的行動の種類とその応用、および初期学習の種類について例示できるようになる。 |
3 |
2-1.実体験による行動変容:非連合学習(馴化)について概説する。 【事前学習】 テキストの第2章の馴化についての解説を読み、馴化とは何かについて、概略を理解する。 【事後学習】 テキストを再度読み、馴化に関するさまざまな現象について例示できるようになる。 |
4 |
2-2.実体験による行動変容:非連合学習(鋭敏化)について概説する。 【事前学習】 テキストの第2章の鋭敏化についての解説を読み、鋭敏化とは何かについて、概略を理解する。 【事後学習】 テキストを再度読み、鋭敏化に関するさまざまな現象について例示できるようになる。 |
5 |
2-3.実体験による行動変容:非連合学習の現実場面での現象および動物や乳児の研究への応用について概説する。 【事前学習】 テキストの第2章の非連合学習(馴化と鋭敏化)の応用例について、概略を理解する。 【事後学習】 テキストを再度読み、非連合学習の応用について例示できるようになる。 |
6 |
3-1-1.実体験による行動変容:連合学習(レスポンデント条件づけ)の基礎について概説する。 【事前学習】 テキストの第3章のレスポンデント条件づけについての解説を読み、レスポンデント条件づけとは何かについて、概略を理解する。 【事後学習】 テキストを再度読み、レスポンデント条件づけの手続きと条件づけで使用される専門用語について説明できるようになる。 |
7 |
3-1-2.実体験による行動変容:連合学習(レスポンデント条件づけ)に関連する様々な現象について概説する。 【事前学習】 テキストの第3章のレスポンデント条件づけにおけるさまざまな現象の解説を読み、レスポンデント条件づけにおいてどの様な現象が生じるのか、概略を理解する。 【事後学習】 テキストを再度読み、レスポンデント条件づけにおいて生じるさまざまな現象について説明できるようになる。 |
8 |
3-1-3.実体験による行動変容:連合学習(レスポンデント条件づけ)を用いた臨床現場での治療および動物や乳児の研究への応用について概説する。 【事前学習】 テキストの第3章のレスポンデント条件づけの応用についての解説を読み、レスポンデント条件づけの応用について、概略を理解する。 【事後学習】 テキストを再度読み、レスポンデント条件づけの応用分野および、レスポンデント条件づけで生じる心身症等について説明できるようになる。 |
9 |
3-2-1.実体験による行動変容:連合学習(オペラント条件づけ)の概略について概説する。 【事前学習】 テキストの第4章のオペラント条件づけについての解説を読み、オペラント条件づけとは何かについて、概略を理解する。 【事後学習】 テキストを再度読み、オペラント条件づけの手続きと条件づけで使用される専門用語について説明できるようになる。 |
10 |
3-2-2.実体験による行動変容:連合学習(オペラント条件づけ)の基礎(行動の原理)について概説する。 【事前学習】 テキストの第4章のオペラント条件づけにで解説されている行動の原理ついての解説を読み、行動の原理とは何かについて、概略を理解する。 【事後学習】 テキストを再度読み、行動の原理で使用される専門用語と、どの手続きが反応を増加させ、どの手続きが反応を減少させるのかについて説明できるようになる。 |
11 |
3-2-3.実体験による行動変容:連合学習(オペラント条件づけ)に関連する様々な現象および連合学習(オペラント条件づけ)を用いた臨床現場での治療および動物や乳児の研究への応用について概説する。 【事前学習】 テキストの第4章のオペラント条件づけの応用についての解説を読み、オペラント条件づけはどの様な分野に応用されているのかについて、概略を理解する。 【事後学習】 テキストを再度読み、オペラント条件づけが応用されている分野やその事例について説明できるようになる。 |
12 |
3-2-4.実体験による行動変容:連合学習(オペラント条件づけ)の中の感覚運動学習について概説する。 【事前学習】 テキストの第5章の感覚運動学習についての解説を読み、感覚運動学習とは何かについて、概略を理解する。 【事後学習】 テキストを再度読み、感覚運動学習において有効な訓練方法について説明できるようになる。 |
13 |
4.観察による行動変容:観察学習による行動変容に関連する様々な現象について概説する。 【事前学習】 テキストの第6章の社会的学習についての解説を読み、社会的学習とは何かについて、概略を理解する。 【事後学習】 テキストを再度読み、社会的学習の種類を例示でき、どの様な事に応用されているのか説明できるようになる。 |
14 |
5-1.言語習得の機序と機能1(言語的教示による行動変容):ルール(言語的教示)による行動変容に関連する様々な現象(うつ等の精神疾患)について概説する。 【事前学習】 テキストの第7章の言語による学習についての解説を読み、言語による学習とは何かについて、概略を理解する。 【事後学習】 テキストを再度読み、言語による学習の種類を例示でき、その人類の文化や科学技術の進歩への貢献と、詐欺にあったり、うつなどの精神疾患などに罹患し不幸になるネガティブな面について例示し、ルール支配行動の観点からインターネットリテラシー等、批判的に文字情報等の言語的教示に接することの必要性を説明できるようになる。 |
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5-2.言語習得の機序と機能2:ヒトとヒト以外の動物の差と言語の発達 ヒトの言語の基礎とその発達および言語の機能について概説する。 【事前学習】 テキストの言語発達に関する解説(音素の知覚発達研究;馴化の応用とオペラント条件づけの応用)および第4章の言語条件づけ、第7章5.3に書かれている「関係フレーム理論」についての解説を読み、言語の学習とは何かについて、概略を理解する。 【事後学習】 テキストを再度読み、言語の習得機序および機能について説明できるようになる。 |
その他 | |
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教科書 | 眞邉 一近 『ポテンシャル学習心理学』 サイエンス社 2019年 第1版 授業で使用する図表は新たに出版された教科書に掲載されましたので、従来配布していたプリントは配布しません。授業及び事前・事後学習のために必要ですので、購入して学習してください。 |
参考書 | 使用しない |
成績評価の方法及び基準 | 試験(90%)、BlackBoardの小テスト(10%) BlackBoardの小テストは、全て解答されている場合に加点される。 |
オフィスアワー | 授業終了時 |