検索したい科目/教員名/キーワードを入力し「検索開始」ボタンをクリックしてください。
※教員名では姓と名の間に1文字スペースを入れずに、検索してください。
科目名 | 実証・応用特殊研究Ⅰ | ||||
---|---|---|---|---|---|
教員名 | 畑山要介 | ||||
単位数 | 2 | 学年 | 3 | 開講区分 |
文理学部
(他学部生相互履修可) |
科目群 | 社会学科 | ||||
学期 | 後期 | 履修区分 | 選択 |
授業概要 | 本授業では、消費社会論の観点から現代社会について検討していく。消費社会論は1980年代以降、J.ボードリヤールの記号消費論を中心に発展してきたが、しかしその中では消費は一種の「疎外」の文脈で捉えられてきた。大衆が「誰かに消費させられている」という構造主義的な消費観を前提に、その疎外に対する抵抗と解放を論じる学問として消費社会論は受容されてきた。しかし、こうした疎外論的消費論は理論的にも経験的にも限界があることが今日では認識されている。この講義では、消費を疎外として捉える制度派経済学やフランクフルト学派、J.ボードリヤール、G.リッツァらの消費論に対して批判的に検討していく。さらに、現代におけるロードサイド消費文化やサステナブルな消費文化の形成にいたるまでを、疎外論とは異なる視点から再検討しつつ実証的データを交えながら検討していく。 |
---|---|
授業のねらい・到達目標 | (1)大衆消費社会の形成の歴史と展開を理解しその批判的論点を理解する。 (2)構造主義的な消費社会批判を超えて、現代の消費文化における生のあり方を捉えることができるようになる。 (3)現代の消費文化について、実証データを読み解きつつ、理論的な洞察を交えながら自分なりの視点から論じることができるようになる。 この科目は文理学部(学士(社会学))のディプロマポリシーDP3及びカリキュラムポリシーCP5に対応しています。 |
授業の方法 | (1)プレゼンテーションの方法 パワーポイント (2)授業形態 講義形式 本授業の事前・事後学習は,各2時間の学習を目安とします。 |
授業計画 | |
---|---|
1 |
イントロダクション 消費社会論をめぐる今日的議論状況と、この講義における目標について学ぶ 【事前学習】シラバスを事前に確認すること 【事後学習】第2回以降の授業に備えて、参考図書等に目を通しておくこと。 |
2 |
大衆消費社会の誕生(1) 20世紀初頭のアメリカにおける大衆消費社会の勃興とその展開について学ぶ。 【事前学習】世界史における19世紀から20世紀前半のアメリカの基礎知識について調べてくること 【事後学習】ノートにまとめて授業内容を整理しておくこと |
3 |
大衆消費社会の誕生(2) 大正・昭和初期における大衆消費社会の勃興、および戦後の展開について学ぶ。 【事前学習】日本史における大正・昭和初期の基礎知識について調べてくること 【事後学習】ノートにまとめて授業内容を整理しておくこと |
4 |
大衆消費社会批判(1) 制度派経済学やフランクフルト学派による大衆消費社会批判について検討する。 【事前学習】制度派経済学とフランクフルト学派について調べておくこと 【事後学習】ノートにまとめて授業内容を整理しておくこと |
5 |
大衆消費社会批判(2) J.ボードリヤールの記号的消費論について批判的に検討する。 【事前学習】ボードリヤール『消費社会の神話と構造』に目を通しておくこと 【事後学習】ノートにまとめて授業内容を整理しておくこと |
6 |
大衆消費社会批判(3) G.リッツァのマクドナルド化論について批判的に検討する。 【事前学習】リッツァ『マクドナルド化する社会』に目を通しておくこと 【事後学習】ノートにまとめて授業内容を整理しておくこと |
7 |
ポストモダン消費論/余暇論 消費を通じた社会形成や消費主義の倫理、余暇の重要性を説く消費論を検討していく。 【事前学習】ポストモダンについて調べておくこと 【事後学習】ノートにまとめて授業内容を整理しておくこと |
8 |
ロードサイドの消費化(1) ファスト風土化論による郊外消費空間への批判を検討する。 【事前学習】三浦展『ファスト風土化する社会』に目を通しておくこと 【事後学習】ノートにまとめて授業内容を整理しておくこと |
9 |
ロードサイドの消費化(2) W.ベンヤミンの思想に基づく「無印都市」の視点について学ぶ 【事前学習】近森・工藤『無印都市の社会学』に目を通しておくこと 【事後学習】ノートにまとめて授業内容を整理しておくこと |
10 |
ロードサイドの消費化(3) 郊外型ライフスタイルの行方、特にアメリカにおけるデッド・モール現象について学ぶ 【事前学習】畑山「ロードサイドの幸福論」(『グローバル現代社会論』)に目を通しておくこと 【事後学習】ノートにまとめて授業内容を整理しておくこと |
11 |
サステナビリティと消費(1) 反消費主義ではなく消費主義がエコロジーの原動力となっている側面について学ぶ。 【事前学習】間々田『第3の消費文化論』に目を通しておくこと 【事後学習】ノートにまとめて授業内容を整理しておくこと |
12 |
サステナビリティと消費(2) フェアトレードの仕組みとその展開について学ぶ。 【事前学習】フェアトレードについての基礎知識を調べておくこと 【事後学習】ノートにまとめて授業内容を整理しておくこと |
13 |
消費社会論の分水嶺(1) ジョセフ・ヒースの消費社会批判を批判的に検討する 【事前学習】ヒース&ポター『反逆の神話』に目を通しておくこと 【事後学習】ノートにまとめて授業内容を整理しておくこと |
14 |
消費社会論の分水嶺(2) 引き続きジョセフ・ヒースの消費社会批判を批判的に検討する 【事前学習】ヒース&ポター『反逆の神話』に目を通しておくこと 【事後学習】ノートにまとめて授業内容を整理しておくこと |
15 |
まとめ これまでの復習・解説をおこない授業の内容を深める 【事前学習】これまでの学習内容で疑問に思ったことをノートにまとめてくる 【事後学習】レポート執筆にむけて授業内容を整理する |
その他 | |
---|---|
教科書 | なし |
参考書 | 近森高明・工藤保則 『無印都市の社会学』 法律文化社 2013年 山田真茂留 『グローバル現代社会論』 文眞堂 2018年 ジョセフ・ヒース、アンドルー・ポター 『反逆の神話』 2014年 |
成績評価の方法及び基準 | レポート(60%)、授業参画度(40%) 授業参画度は,毎回のリアクションペーパー等で評価します。 |
オフィスアワー | 授業終了時 |