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科目名 | 中国学入門1 | ||||
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教員名 | 須江隆 | ||||
単位数 | 2 | 学年 | 1 | 開講区分 |
文理学部
(他学部生相互履修可) |
科目群 | 中国語中国文化学科 | ||||
学期 | 前期 | 履修区分 | 必修 |
授業概要 | 現代社会が抱える諸問題に向き合うためには、歴史的な視点から捉え直すことが不可欠である。この授業では、主に中華帝国の歴史を特色づける政治・制度・社会・文化現象等を精選して解説し、前近代の中国に興味を持つことと、中国前近代史の理解を目的とするが、随時、比較史的視点から日本についても関心を持って考察できるように配慮し、現代日本社会を比較史的な視点から見つめ直す手懸かりを与える。 |
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授業のねらい・到達目標 | 現代の日本社会が直面する諸問題を比較史的な視点から見つめ直すために、中華帝国時代の中国社会の特質を理解し、歴史に学ぶ姿勢を獲得できることを目的とする。 ①前近代の中国の諸相に興味を持つことができる。 ②嘗ての中国における皇帝の宿命や科挙制度の長所と短所、官僚制度の仕組みと歪み、外交や国際関係の特色を説明できる。 ③授業で取り上げた中国前近代史に関する4つのテーマの内容を理解し、それを要約して表現できる。 ④授業で取り上げた中華帝国の歴史的事象に関連する現代社会の家族の在り方・試験制度・官僚制度・国際関係に関する問題を抽出できる。 ⑤現代社会の諸問題について、情報を集めてその概要を理解し、嘗ての中国の関連する歴史的事象と比較しながら考察できる。 ⑥歴史的な視点から、現代社会の諸問題に対する自らの考えを論理的に述べることができる。 この科目は文理学部(学士(文学))のディプロマポリシーDP6及びカリキュラムポリシーCP9に対応しています。 |
授業の方法 | 中華帝国史の理解に不可欠な各テーマを設定し、各テーマに即した歴史的事象を講義形式で解説する。常に歴史的事象と現代社会との関連性が意識できるように配慮する。ミニレポートの作成を4回課し、授業内容の理解を深めさせ、期末レポート作成に向けた段階的な指導を行う。期末レポート作成のための個別指導にも重点を置く。 本授業の事前・事後学習は,各2時間の学習を目安とします。 |
授業計画 | |
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1 |
授業ガイダンス 受講に当たってのガイダンスを行い、歴史に学ぶことの重要性を強調する。中華帝国史を学ぶ意義についても言及し、その歴史像の全体を概観する。 【事前学習】シラバスを熟読し、授業の具体的な到達目標などの理解を要す。 【事後学習】授業のノート整理をし、中華帝国史を学ぶ意義への理解を深めることが必要。 |
2 |
皇帝制度Ⅰ 秦の始皇帝と皇帝制度の確立について言及し、皇帝制度を創出した人物像や皇帝制度確立の背景を考察し、皇帝の家族関係を中心とした実像に迫る。現代の家族の在り方についても比較したい。 【事前学習】秦の始皇帝と皇帝について下調べをし、調査結果をまとめておくこと。 【事後学習】授業のノートを整理し、配付資料の見直しを行うこと。 |
3 |
皇帝制度Ⅱ 漢の高祖の家族関係を中心とした人物像に着目し、天人相関説と皇帝の宿命や外戚と宦官について言及し、中華帝国時代の皇帝とは、どのような存在であったのかを考察する。天皇制に関する関心も喚起したい。 【事前学習】漢の劉邦・天人相関説・外戚・宦官について下調べをし、調査結果をまとめておくこと。 【事後学習】授業ノートの整理と配付資料の見直しに加え、ミニレポートⅠの作成を要す。 |
4 |
科挙制度Ⅰ 先ず官僚資格試験制度としての「科挙」とは何かについて、その特徴を理解してもらうために、「科挙」前史として「九品官人法」について詳しく解説し、「科挙」との違いを比較検討する。 【事前学習】郷挙里選と九品官人法について下調べをし、調査結果をまとめておくこと。 【事後学習】授業のノートを整理し、配付資料の見直しを行うこと。 |
5 |
科挙制度Ⅱ 唐から清代における「科挙」制度の沿革を概観した上で、清代におけるある人物の科挙受験史を一例として解説し、この制度の利点や問題点を考察する。 【事前学習】科挙について下調べをし、調査結果をまとめておくこと。 【事後学習】授業のノートを整理し、配付資料の見直しを行うこと。 |
6 |
科挙制度Ⅲ 清末に科挙が廃止された背景と中華帝国崩壊後の社会を考察し、現代中国社会成立の経緯とその特徴を解説する。日本の公務員試験制度とも比較したい。 【事前学習】科挙廃止の背景について下調べをし、調査結果をまとめておくこと。 【事後学習】授業ノートの整理と配付資料の見直しに加え、ミニレポートⅡの作成を要す。 |
7 |
振り返りⅠ ミニレポートⅠ・Ⅱに関する解説。前半の授業に関するミニッツペーパーⅠの記入と提出。期末レポートの課題呈示と、期末レポートの作成の仕方についての詳しい解説。 【事前学習】第2回から第6回までの授業内容の理解度を各自で再確認すること。 【事後学習】授業内容を踏まえて、期末レポート作成に向けた作業に着手すること。 |
8 |
官僚制度Ⅰ 中華帝国時代の官僚制度を概観した上で、主として宋代の官僚制度について、昇進の仕組みや俸給などについて詳しく解説し、近世中国の官僚の日常生活・実態について理解を深めてもらう。 【事前学習】中華帝国時代の官僚制度について下調べをし、調査結果をまとめておくこと。 【事後学習】授業ノートの整理と配付資料の見直しに加え、期末レポート作成に向けた作業を継続する。 |
9 |
官僚制度Ⅱ ある著名な中国史上の政治事件を取り上げて、その事件の経緯や真相、原因について、当時の官僚制度と関連づけて説明し、近世中国官僚社会の問題点を浮き彫りにする。日本の官僚社会の現実にも目を向けてもらう。 【事前学習】日本の官僚社会が抱えている諸問題について下調べをし、調査結果をまとめておくこと。 【事後学習】授業ノートの整理と配付資料の見直しに加え、ミニレポートⅢの作成を要す。期末レポート作成に向けた作業を継続する。 |
10 |
国際関係Ⅰ 日中交流の歴史、特に遣唐使に焦点を当て、その実態や嘗ての中華帝国側の対応の在り方などを学ぶ。またある日本人留学生の生涯に着目し「国際化」や「留学」の問題を現代的な視点からも検討する。 【事前学習】遣唐使と阿倍仲麻呂について下調べをし、調査結果をまとめておくこと。 【事後学習】授業のノートを整理し、配付資料の見直しを行うこと。期末レポート作成に向けた作業を継続する。 |
11 |
国際関係Ⅱ 18世紀末に訪中したイギリス外交使節団の交渉に焦点を当て、「条約体制」とは性格を異にする「朝貢体制」について解説をし、中華帝国時代の外交の特徴を学ぶ。現代あるいは今後の日中関係を考える指標を呈示する。 【事前学習】清を訪問したジョージ=マカートニーについて下調べをし、調査結果をまとめておくこと。 【事後学習】授業ノートの整理と配付資料の見直しに加え、ミニレポートⅣの作成を要す。期末レポート作成に向けた作業を継続する。 |
12 |
振り返りⅡ ミニレポートⅢ・Ⅳに関する解説。後半の授業に関するミニッツペーパーⅡの記入と提出。授業内試験の出題形式・注意事項についての説明。 【事前学習】第8回から第11回までの授業内容の理解度を各自で再確認すること。 【事後学習】期末レポート作成に向けた作業を継続する。 |
13 |
期末レポート個別相談及び指導 期末レポートのテーマ設定や資料収集のやり方、構成などに関する相談に応じたり、下読みや添削を実施したりすることにより、個別にレポート作成の実践的指導を行う。 【事前学習】継続してきた期末レポート作成作業を通しての疑問点を抽出するとともに、下読み用原稿を用意して授業に臨むこと。 【事後学習】授業で得られたコメントを参照し、期末レポートを完成させる。 |
14 |
筆記試験と解説、期末レポートの提出 【事前学習】筆記試験に向けて、全ての講義ノートや配付資料の見直しを行う。期末レポートを完成させて提出できるようにしておくこと。 【事後学習】この授業科目における自らの学びの姿勢を振り返っておくこと。 |
15 |
授業全体の総括 授業全体の総括を行い、到達目標の再確認をする。自己評価シートの記入・提出。 【事前学習】この授業科目における自らの学びの姿勢を振り返っておくこと。 【事後学習】総括をふまえこの授業科目における自らの学びの姿勢をさらに振り返っておくこと。 |
その他 | |
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教科書 | 授業で使用する参考資料をプリントで配布する。 |
参考書 | 各授業内容に関連する参考書については、授業時に随時紹介する。 |
成績評価の方法及び基準 | レポート(60%)、授業内テスト(30%)、授業参画度(10%) レポート(60%)は、ミニレポート4回(20%)と期末レポート1回(40%)により評価する。 授業内テスト(30%)は、期末試験1回により評価する。 授業参画度(10%)については、自己評価シートにより評価する。 |
オフィスアワー | 本授業時間の前後のみ、本館2階の講師室にて可。また、授業内でE-mailアドレスを伝えるので、そちらに連絡して下さい。 |