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科目名 | 上代文学講義2 | ||||
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教員名 | 梶川信行 | ||||
単位数 | 2 | 学年 | 2~4 | 開講区分 |
文理学部
(他学部生相互履修可) |
学期 | 後期 | 履修区分 | 選択必修 |
授業概要 | 初期万葉を考える。 かつては、万葉の時代を四期に区分することが通説で、その第一期が「初期万葉」だと言われて来た。現在でも、高等学校の国語の教科書には、そうした説明が見られる。しかし私は、そうした学説はもはや成り立たないと考えている。それは、奇跡的に現在まで伝えられて来た『万葉集』というたった一つの歌集から見える風景に過ぎないからである。 この講義では、「初期万葉」とは『万葉集』という歌集の歴史認識を反映した文学史的な位置づけであるという立場を取る。それは文学史を再構築する試みである。 |
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授業のねらい・到達目標 | 古い常識と新しい学説はどのように違うのか。「初期万葉」という問題を通して、それを考えてみることがこの講義の目的である。そうした授業を通して、研究的な態度で作品を読むことに対する理解を深めることを求めたい。また、『万葉集』のコアの部分とも見られる「初期万葉」の作品群に対する理解も深めたい。その結果、『万葉集』に関する基本的な知識についても、具体的に説明できるようになることを目標とする。 この科目は文理学部(学士(文学))のディプロマポリシーDP6及びカリキュラムポリシーCP9に対応しています。 |
授業の方法 | プロジェクターを使って、スクリーンにさまざまな画像(写真・地図・系図・各事項のまとめ など)を映し出しつつ講義を進める。時折、受講生全員に繰り返し問題を投げかけるので、ぜひ自分なりに考えてほしいと思う。積極的に取り組めば取り組むほど、深い理解が得られることになる。 本授業の事前・事後学習は,各2時間の学習を目安とします。 |
授業計画 | |
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1 |
ガイダンス 四期区分説をめぐる問題 【事前学習】 高校で学習した『万葉集』について、改めて確認しておく。 【事後学習】 四期区分説の「第一期」と「初期万葉」との違いをノートに整理しておく。 |
2 |
『万葉集』巻一・巻二の歴史認識 【事前学習】 『万葉集』に関する事典類などを参考に、巻一・巻二がどのような構成になっているかを見ておく。 【事後学習】 『万葉集』自体が体現している歴史認識について、ノートに整理しておく。 |
3 |
「雑歌」の初期万葉 【事前学習】 『万葉集』に関する事典類などを参考に、巻一がどのような構成になっているかを見ておく。 【事後学習】 『万葉集』巻一自体が体現している歴史認識について、ノートに整理しておく。 |
4 |
「相聞」の初期万葉 【事前学習】 『万葉集』に関する事典類などを参考に、巻二「相聞」がどのような構成になっているかを見ておく。 【事後学習】 『万葉集』巻二「相聞」自体が体現している歴史認識について、ノートに整理しておく。 |
5 |
「挽歌」の初期万葉 【事前学習】『万葉集』に関する事典類などを参考に、巻二「挽歌」がどのような構成になっているかを見ておく。 【事後学習】 『万葉集』巻二「挽歌」自体が体現している歴史認識について、ノートに整理しておく。 |
6 |
抒情詩誕生の問題をめぐって 【事前学習】 抒情詩とは何か。文学事典等で確認しておく。 【事後学習】 『万葉集』の研究史のなかで抒情詩がどのように成立したか、ノートに整理しておく。 |
7 |
定型の確立をめぐって 【事前学習】 『万葉集』にはどのような定型があるか、それについて調べておく。 【事後学習】 『万葉集』の定型がどのように成立したか、ノートに整理しておく。 |
8 |
雄略天皇御製の位置づけ 【事前学習】 雄略天皇について、歴史事典などで調べておく。 【事後学習】 伝承的な歌の世界とはどのようなものか、ノートに整理しておく。 |
9 |
舒明天皇御製の世界観 【事前学習】 天の香具山について、歴史事典などで調べておく。 【事後学習】 古代の王権の世界観について、ノートに整理しておく。 |
10 |
額田王 菟道の宮処 【事前学習】 宇治という場所がどのようなところか、地名事典などで確認しておく。 【事後学習】 代作という形が、古代の歌の世界でどのように機能してか、ノートに整理しておく。 |
11 |
額田王 熟田津 【事前学習】 白村江での敗戦前後の歴史を確認しておく。 【事後学習】 言霊の働きについて、ノートに整理しておく。 |
12 |
額田王 春秋競憐 【事前学習】 歌の表現における「もみち」について、辞書などで確認しておく。 【事後学習】 宴席における歌の役割について、ノートに整理しておく。 |
13 |
額田王 蒲生野 【事前学習】 額田王がどのようなイメージで享受されて来たかを確認しておく。 【事後学習】 宴席で披露された歌が『万葉集』という歌集の中の歌になるまで、その過程をノートに整理しておく。 |
14 |
額田王 山科御陵 【事前学習】 古代の葬儀について、予備知識をつけておく。 【事後学習】 葬儀の中で歌の果たした役割ついて、ノートに整理しておく。 |
15 |
まとめ 『万葉集』をどう読むか レポート提出 【事前学習】 十四回分のノートを振り返っておく。 【事後学習】 『万葉集』における初期万葉の位置づけを再確認する。 |
その他 | |
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教科書 | 森淳司 『訳文万葉集』 笠間書院 2007年 二十巻、約四千五百首のすべてを掲載しているものならば、指定したテキスト以外でもよい。 |
参考書 | 教室のスクリーンに映し出した教材の中で、とりわけ重要なものはBlackboardの「教材」欄に載せておくので、事後学習に利用すること。 |
成績評価の方法及び基準 | レポート(70%)、授業内での課題等(30%) |
オフィスアワー | 月・木・金の授業と会議のない時間。個人研究室にて。 |