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科目名 | 東洋史特講8 | ||||
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教員名 | 山口元樹 | ||||
単位数 | 2 | 学年 | 2~4 | 開講区分 |
文理学部
(他学部生相互履修可) |
科目群 | 史学科 | ||||
学期 | 後期 | 履修区分 | 選択必修 |
授業概要 | メッカ巡礼と近代東南アジアのムスリム |
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授業のねらい・到達目標 | メッカ巡礼(マッカ巡礼)は、すべてのムスリム(イスラーム教徒)にとって、可能であれば一生に一度は果たすべきとされる義務です。世界中からムスリムが集まるメッカ巡礼は、イスラーム世界の一体性とともに多様性をあらわしていると言えます。また、一度の巡礼で大量の人間が長い距離を移動するため、単なる宗教儀礼にとどまらず、社会的に大きな重要性を持っています。 この講義ではメッカ巡礼について、近代(19世紀から20世紀前半)の東南アジアからのものを中心に解説していきます。東南アジアは住民の多くがイスラームを信奉していますが、アラビア半島からは地理的に遠く離れています。そのためかつてこの地域からの巡礼の旅には多大な困難が伴いました。しかし、近代になると、交通機関の発達などの理由によって長距離の移動がはるかに容易になり、東南アジアからの巡礼者は、巡礼者全体の中でも大きな割合を占めるようになります。 この講義は、まずメッカ巡礼全般について解説し、次に近代の東南アジア(主に現在のインドネシア)からの巡礼に焦点を絞って論じていきます。この講義の目標は、メッカ巡礼の概要とムスリム社会における重要性について説明できるようになること、東南アジアからの巡礼者の体験を通してイスラーム世界の多様性について説明できるようになることです。 この科目は文理学部(学士(文学))のディプロマポリシーDP6及びカリキュラムポリシーCP9に対応しています。 |
授業の方法 | 当日に配布するプリントを利用しながら、基本的に講義形式をとります。毎回授業内でコメントペーパーを配り、質問や感想を書いてもらいます。そこで出された質問に関しては授業の中で適宜答えていきます。第14回の授業では試験とその解説をおこなう予定です。また、理解度を確認するために小テストをおこないます。その際には事前に告知をします。なお、受講者の人数と理解度に応じて、授業計画を変更することがあります。本講義の事前・事後学修は各2時間を目安とします。 |
履修条件 | 履修条件は特にありません。東南アジアやイスラームに関心のある人は専門を問いません。 |
授業計画 | |
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1 |
◆ガイダンス 講義の概要、進め方、評価の基準について説明します。また、授業の予備知識として、イスラーム、メッカ巡礼、現在の東南アジアについての基礎的な知識を学びます。 〈事前学修〉東南アジアとイスラームについてどのような知識・イメージがあるのか考えておいてください。 〈事後学修〉配布資料を復習してください。 |
2 |
◆イスラームと東南アジア 東南アジアにおけるイスラームについて概観します。 〈事前学修〉前回の配布物を見直しておいてください。 〈事後学修〉配布資料を復習してください。 |
3 |
◆メッカ巡礼の起源・儀礼 メッカ巡礼の成立過程や儀礼の詳細について説明します。 〈事前学修〉イスラームの基本教義について調べておいてください。 〈事後学修〉配布資料を復習してください。 |
4 |
◆メッカ巡礼ルートと商業ネットワーク 前近代のイスラーム世界におけるメッカ巡礼ルートの形成と商業ネットワークの発展について解説します。 〈事前学修〉前近代のイスラーム世界の歴史について調べておいてください。 〈事後学修〉配布資料を復習してください。 |
5 |
◆メッカ巡礼と思想の伝播 18世紀にアラビア半島で起こった改革思想とそれがメッカ巡礼によって各地に広まっていく過程について解説します。 〈事前学修〉近代のイスラームの歴史について調べておいてください。 〈事後学修〉配布物を復習してください。 |
6 |
◆メッカ巡礼における近代化の影響 交通機関の発達に伴うメッカ巡礼者の増加など近代化がメッカ巡礼にもたらした影響について解説します。 〈事前学修〉近代西洋における科学技術の歴史について調べておいてください。 〈事後学修〉配布物を復習してください。 |
7 |
◆ヨーロッパによる東南アジアの植民地化 18世紀から19世紀にかけての東南アジアについて、ヨーロッパによる植民地化を中心に説明します。 〈事前学修〉欧米列強による植民地主義の歴史について調べておいてください。 〈事後学修〉配布物を復習してください。 |
8 |
◆メッカ巡礼と東南アジアにおける反植民地主義運動 18世紀から19世紀に起こった東南アジアの反植民地主義運動とメッカ巡礼の関係について解説します。 〈事前学修〉これまでの配布物とノートを見直しておいてください。 〈事後学修〉配布物を復習してください。 |
9 |
◆東南アジアからのメッカ巡礼者の増加とオランダによる巡礼政策 19世紀に東南アジアからのメッカ巡礼者が増加した要因とそれに対するオランダによる政策の変遷について解説します。 〈事前学修〉前回の配布物とノートを見直しておいてください。 〈事後学修〉配布物を復習してください。 |
10 |
◆19世紀後半の東南アジアからのメッカ巡礼 19世紀後半に東南アジアのムスリムがメッカ巡礼者においてどのような体験をしたのか解説します。 〈事前学修〉メッカ巡礼の儀礼の詳細について復習しておいたください。 〈事後学修〉配布物を復習してください。 |
11 |
◆19世紀後半のメッカにおける東南アジア出身のウラマー 19世紀後半にメッカで活躍した東南アジア出身のウラマー(イスラーム学者)について解説します。 〈事前学修〉イスラームにおけるウラマーについて調べておいてください。 〈事後学修〉配布物を復習してください。 |
12 |
◆メッカ巡礼者と20世紀前半の東南アジアのイスラーム運動 20世紀前半に東南アジアで起こったイスラーム運動にメッカ巡礼者が及ぼした影響について解説します。 〈事前学修〉これまでの配布物とノートを見直しておいてください。 〈事後学修〉配布物を復習してください。 |
13 |
◆現在の東南アジアからのメッカ巡礼 現在の東南アジアからの巡礼がどのように行われているのか解説します。 〈事前学修〉これまでの配布物とノートを見直しておいてください。 〈事後学修〉配布物を復習してください。 |
14 |
◆授業内試験と解説 テストをおこないます。 〈事前学修〉これまでの配布資料を読み、復習をしておいてください。 〈事後学修〉テストの内容を復習してください。 |
15 |
◆本講義のまとめ これまでの復習・解説をおこない授業の理解を深めます。 〈事前学修〉これまでの配布資料を読み、復習をしておいてください。 〈事後学修〉東南アジアとイスラーム、特にメッカ巡礼についてこの講義をとおしてどのような知識と理解が得られたのか考えてください。 |
その他 | |
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教科書 | プリントを配布します。 |
参考書 | 池端雪浦編 『『東南アジア史Ⅱ:島嶼部』 (新版世界各国史6)』 山川出版社 1999年 小林寧子 『『インドネシア:展開するイスラーム』 (南山大学学術叢書)』 名古屋大学出版会 2008年 坂本勉 『『イスラーム巡礼』 (岩波新書)』 岩波書店 2000年 そのほかの参考図書については授業内で適宜紹介していきます。 |
成績評価の方法及び基準 | 試験(50%)、授業内テスト(10%)、授業参画度(40%) 授業参画度は、授業態度、コメントペーパーの内容(授業内容を理解した質問がなされているか)から判断します。授業内テスト(小テスト)は基本的な知識の確認のために二度行う予定です。 |
オフィスアワー | 質問等は授業終了時に受け付けます。 |
備考 | 〈事前学修〉 参考図書などを読み、イスラームや東南アジアの歴史に関する知識を蓄えておいてください。 〈事後学修〉 配布資料や参考図書を読み、授業の内容を復習してください。 |