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古文書・古記録学１

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科目名 古文書・古記録学１
教員名 久保田和彦
単位数    2 学年 2～4 開講区分 文理学部
科目群 史学科
学期 前期 履修区分 選択必修
授業概要 古文書学・古記録学は、歴史学研究の手段として不可欠の学問である。古文書とは、甲から乙という特定の者に対して、甲の意思を表明するために作成された意思表示手段である。また、古記録とは近代以前の記録のことで、備忘のための公私の日記を主とし、別記・部類記などを含むものである。古文書学は、古文書の材料・作成手続・様式・文章・時代の変遷・地域の相違など、古文書に関する知識を整理し体系立てる学問であるが、本授業では、古代・中世文書の様式・機能の変遷および古記録に関する基本的知識の習得を養う。
授業のねらい・到達目標 佐藤進一著『［新版］古文書学入門』の第１章・第３章を中心に、古文書の様式・機能を軸として、古代・中世の古文書に関する基礎的な知識の修得および基本的な古代・中世文書の読解力を養成する。併せて、古記録に関する基本的知識の習得および古記録の読解を目指す。具体的には、基本的な古代・中世の古文書の様式を理解し、古文書名を判別できること。また、古文書の写真版から釈文（読みにくい筆跡や漢文を、読みやすい字体・文体に直すこと）を記述し、古文書に書かれている内容を理解できるようにすることを目標とする。

この科目は文理学部（学士（文学））のディプロマポリシーDP6及びカリキュラムポリシーCP9に対応しています。
授業の方法 講義が中心であるが、基本的な古文書・古記録の読解も目的としているので、できるだけ多くの古文書・古記録に親しむ必要がある。講義を聞くだけでなく、古文書読解の宿題も出すので、自己学習の時間が不可欠となる。教科書である佐藤進一著『［新版］古文書学入門』を熟読し、また毎回配布する講義レジュメに参考文献を掲載するので、可能な限り参考文献を読み、古文書学に関する知識を深める。
本授業の事前・事後学習は、各２時間の学習を目安とします。
授業計画
1 授業計画、古文書学・古記録学と史料学
「事前学習」佐藤進一著『［新版］古文書学入門』第１章第１節「古文書とは何か」を読む。
「事後学習」授業の復習。レジュメの参考文献をできるだけ読む。
2 古代・中世文書の様式・機能の変遷（１）律令制と公式様文書
「事前学習」佐藤進一著『［新版］古文書学入門』第３章第１節「公式様文書」を読む。
「事後学習」授業の復習。レジュメの参考文献をできるだけ読む。宿題（釈文）。
3 古代・中世文書の様式・機能の変遷（２）公式様文書
「事前学習」佐藤進一著『［新版］古文書学入門』第３章第１節「公式様文書」を読む。
「事後学習」授業の復習。レジュメの参考文献をできるだけ読む。宿題（釈文）。
4 古代・中世文書の様式・機能の変遷（３）王朝国家と公家様文書（宣旨・官宣旨）
「事前学習」佐藤進一著『［新版］古文書学入門』第３章第２節「公家様文書」を読む。
「事後学習」授業の復習。レジュメの参考文献をできるだけ読む。宿題（釈文）。
5 古代・中世文書の様式・機能の変遷（４）王朝国家と公家様文書（院庁下文、庁旨・大府宣）
「事前学習」佐藤進一著『［新版］古文書学入門』第３章第２節「公家様文書」を読む。
「事後学習」授業の復習。レジュメの参考文献をできるだけ読む。宿題（釈文）。
6 古代・中世文書の様式・機能の変遷（５）王朝国家と公家様文書（綸旨・院宣・御教書）
「事前学習」佐藤進一著『［新版］古文書学入門』第３章第２節「公家様文書」を読む。
「事後学習」授業の復習。レジュメの参考文献をできるだけ読む。宿題（釈文）。
7 古代・中世文書の様式・機能の変遷（６）武家政権と武家様文書（鎌倉幕府の発給文書）
「事前学習」佐藤進一著『［新版］古文書学入門』第３章第３節「武家様文書」を読む。
「事後学習」授業の復習。レジュメの参考文献をできるだけ読む。宿題（釈文）。
8 古代・中世文書の様式・機能の変遷（７）武家政権と武家様文書（室町幕府の発給文書）
「事前学習」佐藤進一著『［新版］古文書学入門』第３章第３節「武家様文書」を読む。
「事後学習」授業の復習。レジュメの参考文献をできるだけ読む。宿題（釈文）。
9 古代・中世文書の様式・機能の変遷（８）武家政権と武家様文書（戦国時代の発給文書）
「事前学習」佐藤進一著『［新版］古文書学入門』第３章第３節「武家様文書」を読む。
「事後学習」授業の復習。レジュメの参考文献をできるだけ読む。宿題（釈文）。
10 古記録学の基礎知識－古記録とは何か－
「事前学習」高橋秀樹著『古記録入門』第１部第１章「古記録とは何か」を読む。
「事後学習」授業の復習。レジュメの参考文献をできるだけ読む。宿題（釈文）。
11 古代・中世の古記録の変遷（１）
「事前学習」高橋秀樹著『古記録入門』第１部第２章「古記録小史」を読む。
「事後学習」授業の復習。レジュメの参考文献をできるだけ読む。宿題（釈文）。
12 古代・中世の古記録の変遷（２）
「事前学習」高橋秀樹著『古記録入門』第２部第１章「玉葉を読む」を読む。
「事後学習」授業の復習。レジュメの参考文献をできるだけ読む。宿題（釈文）。
13 古記録を読む
「事前学習」第12回レジュメ『明月記』治承四年五月条を読む。
「事後学習」授業の復習。レジュメの参考文献をできるだけ読む。宿題（釈文）。
14 古文書を読む
「事前学習」試験要項の確認。配布史料集および佐藤進一著『［新版］古文書学入門』口絵写真の読解。
「事後学習」配布史料集および佐藤進一著『［新版］古文書学入門』口絵写真の読解。
15 試験、解説と振り返り
「事前学習」試験要項の確認。配布史料集および佐藤進一著『［新版］古文書学入門』口絵写真の読解。
「事後学習」試験内容の復習。
その他
教科書 佐藤進一著 『［新版］古文書学入門』 法政大学出版局 ２００９年 第５版
古文書学の名著である。何度も熟読することが望ましい。
参考書 石井進著 『中世を読み解く　古文書入門』 東京大学出版会 １９９０年
高橋秀樹著 『古記録入門』 東京堂出版 ２００５年 第初版
成績評価の方法及び基準 試験(90%)、提出物（宿題）(10%)
試験は古文書の読解（釈文作成）が中心となる。
なお、一定の出席数に満たない場合は成績評価対象外となる。
また、提出物（宿題）は毎回課し、提出されたもので評価を行う。
オフィスアワー 授業終了時

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