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博物館展示論
| 科目名 | 博物館展示論 | ||||
|---|---|---|---|---|---|
| 教員名 | 岡部幹彦 | ||||
| 単位数 | 2 | 学年 | 2･3 | 開講区分 | 文理学部 |
| 科目群 | コース科目 | ||||
| 学期 | 前期 | 履修区分 | 必修 | ||
| 授業概要 | 博物館の主要な機能である展示について、ICOMの博物館定義にある「有形、無形の人類の遺産とその環境」をキーワードに、ヒト、モノ、コトと環境、時間軸。空間軸の間に成立する関係性を示すことの本質的な意味を理解するとともに、展示準備プロセスの実際を学び、展示に係る基礎的な知識と能力を身につける。博物館学芸員としての経験をもとに、国内外の多くの事例を紹介し展示の実務を理解する授業を行う。 |
|---|---|
| 授業のねらい・到達目標 | １．展示テーマとこれを成立させる資料構成を企画立案することができ、観覧者の主体的で積極的な”観る”行為を引き出す展示計画を立案できる。２．企画立案から展示・撤去までの具体的な準備作業とその手順を理解し、これを計画することができる。３．モノの展示と情報の提供との関係を理解した解説資料を作成することができる。 |
| 授業の方法 | 毎回の授業時に資料プリントを配布し、スライドを用いて講義形式で進行することを基本とするが、積極的な学修姿勢と理解を促すため、適宜テーマを設けて意見を求める。展示に係る内外の映像資料や実物資料を用いて多様な視点を提供するとともに、展示企画書の作成を体験する。また、各授業終了時に必要に応じ要点確認レポートの提出を求める。本授業の事前・事後学習は。各２時間の学習を目安とします。 |
| 授業計画 | |
|---|---|
| 1 |
《ガイダンス》授業の進め方と留意点、博物館の定義・機能と展示 博物館法とICOMの定義 海外の展示事例 ［事前学習］博物館の主要な機能について、博物館法がどのように記載しているか調べておくこと ［事後学習］ICOMの博物館定義の新旧の差異を整理しておくこと。 |
| 2 |
博物館の館種と展示の形式・種類 ［事前学習］博物館の館種について調べノートに整理しておくこと ［事後学習］フィールドミュージアムの事例を調べ運営の課題を理解すること |
| 3 |
展示の理念と意義 モノを観ることと情報の提供、観察と鑑賞 ［事前学習］美術館と文学館の展示を観る行為に差異があるか、その理由を考えておくこと ［事後学習］学術的価値・歴史的価値・芸術的価値について整理しておくこと |
| 4 |
主体的・積極的な観覧を促す展示手法 海外の事例に観る様々な手法 ［事前学習］海外の博物館のウェブサイトを閲覧し、展示の様子を調べておくこと ［事後学習］１点の資料（作品）を選び積極的・主体的な観覧を促す解説を作成すること |
| 5 |
展示の構成 モノ・コト・ヒトとその環境／時間軸・空間軸 資料構成と展示テーマ ［事前学習］展覧会カタログを見て、展示テーマと資料構成を時間軸・空間軸で把握してみること ［事後学習］実際の展覧会に出品された資料についてそのモノ・コト・ヒト・環境を整理し図示すること |
| 6 |
展示の企画立案とテーマ・サブテーマ 企画決定プロセス 展示企画書作成実習 ［事前学習］各自の関心に応じた展示企画書を作成しておくこと ［事後学習］講義を踏まえ、事前学修で作成した展示企画書を修正完成させること |
| 7 |
展示環境 展示と資料保存 展示環境と展示施設・設備・用具 ファシリティーレポート ［事前学習］相対湿度と絶対湿度の違いを理解しておくこと ［事後学習］国指定文化財（美術工芸品）の展示について理解しておくこと |
| 8 |
展示の方法と技術 展示と演出 展示用具 ユニバーサルデザイン ［事前学習］バリアフリーとユニバーサルデザインについて理解しておくこと ［事後学習］博物館を実際に訪問し、展示の方法と技術について観察しノートに整理しておくこと |
| 9 |
展示の実際(1) 企画展・特別展の開催形態 日本の特殊性 経費と収益 ［事前学習］大正期に開催された各種博覧会について調べておくこと ［事後学習］過去のいくつかの企画展・特別展について、その主催・共催・後援・協賛・協力等を調べ整理すること 。 |
| 10 |
展示の実際(2) 開催要項 借用交渉と借用 輸送と展示 ［事前学習］学芸員が輸送に同行する意味・理由を考えておくこと ［事後学習］実際の展覧会カタログから開催要項を再現し作成すること |
| 11 |
展示の実際(3) カタログ・各種印刷物の作成と学芸員の役割 広報 展示の評価 ［事前学習］展覧会ポスターやチラシを写真撮影し、主要な記載項目を調べること ［事後学習］実際の展覧会カタログについて、その構成(項目)を一覧表に整理しておくこと |
| 12 |
展示と博物館教育 資料と情報 キャプション・解説パネル・情報機器 ［事前学習］チラシやウェブサイトなどで企画展示に係る教育事業について調べておくこと ［事後学習］授業を踏まえ、資料や作品の解説文を作成してみること |
| 13 |
展示のリスクマネジメント 保険と国家補償 展示と関連法規 ［事前学習］動産保険の仕組みについて調べ理解しておくこと ［事後学習］展示と関連法規を一覧表に整理して理解すること |
| 14 |
展示の課題 モノの展示と映像情報の展示 海外の事例に学ぶ ［事前学習］映像資料と文字資料の共通点もしくは相違点について考えておくこと ［事後学習］映像資料を扱う場合の原則について整理して理解すること |
| 15 |
《まとめ》 博物館の現状と展示の可能性 学芸員の果たす役割 【試験】 ［事前学習］独立行政法人、指定管理者制度、法人改革について調べておくこと ［事後学習］全回の配付資料を再読し、主要項目のインデックスを作成する |
| その他 | |
|---|---|
| 教科書 | なし |
| 参考書 | なし |
| 成績評価の方法及び基準 | 試験(60%)、レポート(20%)、授業参画度(20%) 授業参画度は、事前学習関連事項の授業内発表等で評価します。 |
| オフィスアワー | 授業開始前、学芸員課程研究室にて３０分程度 初回授業時にE-mailアドレスを伝える。 |