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線形空間論(含演習)

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科目名 線形空間論(含演習)
教員名 下元 数馬
単位数    3 学年    2 開講区分 文理学部
科目群 数学科
学期 前期 履修区分 選択
授業テーマ 一年生で学んだ線形代数1,2では主に行列という具体的な表示を通じて、基本変形という操作から様々な事実が導かれることを学びました。この授業ではより抽象的なベクトル空間について学び、行列という表示に寄らないより普遍的な形で線形代数を学びます。応用として行列の固有値や対角化、ジョルダン標準形といったテーマに触れる予定です。
授業のねらい・到達目標 ベクトル空間の基底の理論を復習し,線形写像と行列の関係を理解することを確固たるものにする。その上で、次元の計算、基底の存在性と具体的な計算を通じて、行列の対角化からジョルダン標準形の基礎を学び,対角化の計算方法を身に着ける。計量構造を伴った線形空間として、内積空間の基礎を学び,直交行列による対称行列の対角化の応用として,2次形式,2次曲線の標準化の方法を身に着ける。
授業の方法 応用例が多くあるため演習が不可欠である。そのため,講義の他に演習の時間を多くとる予定である、出席の確認方法についても工夫する。
履修条件 なし
事前学修・事後学修,授業計画コメント 線形代数1,2でならった内容を復習しておくこと。またそれぞれのテーマ計算方法を修得してもらいたい。そのためは計算問題を多く解くことが必要である。そのための演習問題を配布し解説を行う。
授業計画
1 線形代数の復習と記号等の準備.線形空間の公理,、線形空間の例 
【準備】1年生で学んだ線型代数の内容を復習しておくこと。行列式の計算方法,掃き出し法を事前に復習しておくこと。
2 線形空間、部分空間、基底、次元、線形写像の表現
【準備】基底については1年生でならった抽象的な取り扱いを復習しておくこと。
3 固有値,固有ベクトルの計算方法を学ぶ。
【準備】行列式の計算方法,掃き出し法を事前に復習しておくこと。
4 対角化(重根がない場合)の方法を学び、行列のべきの計算に応用するテクニックを修得する。
【準備】逆行列の計算方法の復習しておくこと。
5 対角化(重根がある場合)、ジョルダン標準形の基礎を学ぶ。
【準備】ランクの計算方法を復習しておくこと。
6 対角化の応用(数列の漸化式、高階微分方程式の解法)を学ぶ。
【準備】第5回までに学習した内容を復習しておくこと。
7 中間テスト。
【準備】第6回までの内容を復習しておくこと。
8 コーシーシュワルツの不等式
【準備】第7回までの内容を復習しておくこと。
9 シュミットの直交化法を学ぶ。
【準備】ベクトルの基底の概念を復習しておくこと。とくに、部分空間について復習しておくこと。
10 直交行列による対称行列の対角化の方法を学ぶ。
【準備】行列の対角化と,シュミットの直交化を復習しておくこと。
11 2次形式と2次曲線の標準形(分類)
【準備】第10回までの内容を良く復習しておくこと。
12 2次形式と2次曲線の標準形( アフィン空間論と射影幾何について)
【準備】第10回までの内容を良く復習しておくこと。
13 複素固有値問題、エルミート行列、正規変換、ジョルダン標準形、など最終的な命題たちについて
【準備】第12回までの内容を良く復習しておくこと。
14 質疑応答(第1回から第13回までの講義内容に関する質疑応答とフィードバックを行う)
15 授業内最終テスト、全体の復習。
【準備 線形代数1,2 の内容も合わせて、今学期の学習内容すべてを復習しておくこと。
その他
教科書 渡辺敬一・松浦豊・泊昌孝 『具体例から始める線型代数』 日本評論社 2007年 第1版
教科書は線形代数1,2で使用したものを指定しました.6章を復習しながら、
7章から11章までの範囲を利用致します.
参考書 永田 雅宜 『線形代数の基礎』 紀伊國屋書店 1987年
笠原晧司 『線形代数と固有値問題 - スペクトル分解を中心にして 新装版』 現代数学社 2014年
線形代数の参考書は沢山ありますが、ここでは計算と応用を重視したものを挙げました。これ以外も良い参考書は存在します。本屋さんや図書室で読み較べると良いでしょう。
成績評価の方法及び基準 授業内テスト(70%)、授業参画度(30%)
授業中に筆記試験を実施します。
オフィスアワー 基本的には授業時間内に行いますが、研究室で個別に対応することも可能です。
備考 演習の時間における積極性も成績に加味します。

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