東洋史入門

授業テーマ	アジア史研究に必要な工具書の利用方法と戦前期日本のアジア史研究における「問題の所在」（分析視角）を中国史を事例に紹介する。
授業のねらい・到達目標	アジア史の卒業論文作成にむけての第一歩となる、次の二つの領域における基礎的な知識の習得を目指す。一つは、アジア史研究で必須となる工具書等に関する知識の獲得。もう一つは、日本におけるアジア史研究が如何なる「問題の所在」下で展開してたのかを、戦前期中国史研究を事例として確認し、アジア史研究の前提となる各自の「問題の所在」の涵養を目指す。
授業の方法	講義形成。
履修条件	受講マナーが守れる者。なお、本講義は、上掲「授業のねらい・到達目標」で述べた内容を主眼としており、アジア史の通史・概説的な内容、あるいは個別事例・事件の分析を中心にした講述は行わない。そのような知識の習得を目指す学生は、「東洋史概説」もしくは２年生以降に履修が可能な「東洋史特講」の各科目を履修すること。
事前学修・事後学修，授業計画コメント	配布資料と講義レジュメの内容は必ず事前に読解し、不明な用語等は、講義前半で紹介する各種工具書等で確認・理解しておくこと（週2～3時間程度必要）。

授業計画
1	ガイダンス:今なぜ「アジア史」なのか？
2	アジア史を学ぶための＜技術＞（１）：入門書・通史・概説書
3	アジア史を学ぶための＜技術＞（２）（３）：文献目録・文献解題・各種工具書
4	アジア史を学ぶための＜技術＞（４）：中国史の基本史料（１）
5	アジア史を学ぶための＜技術＞（５）：中国史の基本史料（２）
6	アジア史を学ぶための＜技術＞（６）：中国史の基本資料（３）
7	幕末維新期における中国認識
8	日本における東洋史学の成立と展開（１）：「学知」としての東洋史の成立
9	日本における東洋史学の成立と展開（２）：白鳥庫吉と内藤湖南
10	日本における＜アジア主義＞の系譜：岡倉天心・三木清・大川周明
11	中国農村慣行調査と戦前期日本における中国社会調査の到達点（１）
12	中国農村慣行調査と戦前期日本における中国社会調査の到達点（２）
13	中国農村慣行調査と戦前期日本における中国社会調査の到達点（３）
14	授業内試験と解説
15	到達度の確認と講義のまとめ

その他
教科書	使用しない。但し、講義内容に即した講義レジュメと資料を配布する。なお、資料の講義教室での再配布は行わない。遅刻・欠席者は、ブラックボードを利用して取得すること。
参考書	講義時に配布するレジュメに掲載。
成績評価の方法及び基準	平常点(20%)、レポート(30%)、授業内テスト(50%) 12月中にレポート提出を課した上で、その成績に授業内試験と授業参画度（出席表裏でのコメント内容）の内容をふまえて、総合的に評価する。
オフィスアワー	火曜日12時20分～13時。
備考	本講義は中国史を中心とした事例となっており、イスラム圏等に関しては「東洋史概説」（イスラム担当者講義）を履修することが望ましい。