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英米文学演習3

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科目名
平成28年度入学者
英米文学演習3
科目名
平成27年度以前入学者
英米文学演習3
教員名 福島 昇
単位数    1 課程 前期課程 開講区分 文理学部
学期 前期 履修区分 選択必修
授業テーマ シェイクスピアの『恋の骨折り損』Love's Labour's Lost(執筆年代:1594-95年、種本:特にない、初演:1594年、初版:1598年)は、全編がことば遊びの劇。例えば、道化のコスタードがうろ覚えで使う"honorificabilitudinitatibus"(ラテン語で「尊敬に値すること」ほどの意味)は当時一番長い単語と言われていた。言葉遊びとして知られる古典的な噺の「寿限無」のシェイクスピア版とも言える。しかもラテン語を使った洒落が多発するので難解さでは随一。高尚な貴族の娯楽を通してシェイクスピアのことば遊びを学ぶ。
授業のねらい・到達目標 授業のねらい:シェイクスピアの言語を理解させながら、ルネサンス期のイギリス、特に宗教改革から1642年の劇場閉鎖までのあいだに書かれた演劇作品を理解させる。注を参考にテクストの本文を読む。注を読むには時に様々な専門的な知識が必要になるため、関連項目についても理解を深めさせる。
到達目標:シェイクスピアだけでなく、その他の西洋演劇、日本演劇(歌舞伎、文楽、能・狂言、新派、大衆演劇)なども理解できる。
授業の方法 シェイクスピアと『恋の骨折り損』の諸問題について議論し、批評的感想(おしゃべり)などを述べる習慣を身につける。研究論文の書き方(『MLA』第7版に基づく)やギリシア悲劇、現代劇、黒人演劇、日本演劇、日本文学などにも話題を広げる。
事前学修・事後学修,授業計画コメント Love's Labour's Lost を事前に読んでおくこと。毎回70行ぐらい読むことを目標とする。授業の最後に次回の授業の範囲を説明します。詳しくは下記の授業計画を参照。
授業計画
1 ガイダンス:授業の方針、到達目標確認試験(レポート形式)について
2 事前学修:Love's Labour's Lost 1.1.1--1.1.69を読んでくる。
講義内容:Love's Labour's Lost 1.1.1--1.1.69、喜劇とは何か(1)、文学批評用語:不条理
事後学習:講義内容について図書館や学習支援システム(仮称)等を利用し復習する。
3 事前学修:Love's Labour's Lost 1.1.70--1.1.140を読んでくる。
講義内容:Love's Labour's Lost 1.1.70--1.1.140、喜劇とは何か(2)、文学批評用語:プロタゴニスト
事後学習:講義内容について図書館や学習支援システム(仮称)等を利用し復習する。
4 事前学修:Love's Labour's Lost 1.1.141--1.1.209を読んでくる。
講義内容:Love's Labour's Lost 1.1.141--1.1.209、悲劇とは何か(1)、文学批評用語:フロイト的批評
事後学習:講義内容について図書館や学習支援システム(仮称)等を利用し復習する。
5 事前学修:Love's Labour's Lost 1.1.210--1.1.279を読んでくる。
講義内容:Love's Labour's Lost 1.1.210--1.1.279、悲劇とは何か(2)、文学批評用語:文化研究
事後学習:講義内容について図書館や学習支援システム(仮称)等を利用し復習する。
6 事前学修:Love's Labour's Lost 1.1.280--1.2.50を読んでくる。
講義内容:Love's Labour's Lost 1.1.280--1.2.50、歴史劇とは何か(1)、文学批評用語:文彩
事後学習:講義内容について図書館や学習支援システム(仮称)等を利用し復習する。
7 事前学修:Love's Labour's Lost 1.2.51--1.2.118を読んでくる。
講義内容:Love's Labour's Lost 1.2.51--1.2.118、歴史劇とは何か(2)、文学批評用語:マルクス主義文学理論
事後学習:講義内容について図書館や学習支援システム(仮称)等を利用し復習する。
8 事前学修:Love's Labour's Lost 1.2.119--2.1.12を読んでくる。
講義内容:Love's Labour's Lost 1.2.119--2.1.12、ロマンス劇とは何か(1)、文学批評用語:メタ演劇
事後学習:講義内容について図書館や学習支援システム(仮称)等を利用し復習する。
9 事前学修:Love's Labour's Lost 2.1.13--2.1.80を読んでくる。
講義内容:Love's Labour's Lost 2.1.13--2.1.80、ロマンス劇とは何か(2)、文学批評用語:メタレプシス
事後学習:講義内容について図書館や学習支援システム(仮称)等を利用し復習する。
10 事前学修:Love's Labour's Lost 2.1.81--2.1.152を読んでくる。
講義内容:Love's Labour's Lost 2.1.81--2.1.152、問題劇とは何か、文学批評用語:ラング
事後学習:講義内容について図書館や学習支援システム(仮称)等を利用し復習する。
11 事前学修:Love's Labour's Lost 2.1.153--2.1.222を読んでくる。
講義内容:Love's Labour's Lost 2.1.153--2.1.222、シェイクスピアの詩、文学批評用語:パロール
事後学習:講義内容について図書館や学習支援システム(仮称)等を利用し復習する。
12 事前学修:Love's Labour's Lost 2.1.223--3.1.35を読んでくる。
講義内容:Love's Labour's Lost 2.1.223--3.1.35、シェイクスピア別人説、文学批評用語:ロゴス中心主義
事後学習:講義内容について図書館や学習支援システム(仮称)等を利用し復習する。
13 事前学修:Love's Labour's Lost 3.1.36--3.1.104を読んでくる。
講義内容:Love's Labour's Lost 3.1.36--3.1.104、シェイクスピアと日本文学(1)、文学批評用語:フォルマリスム 
事後学習:講義内容について図書館や学習支援システム(仮称)等を利用し復習する。
14 事前学修:Love's Labour's Lost 3.1.105--3.1.167を読んでくる。
講義内容:Love's Labour's Lost 3.1.105--3.1.167、シェイクスピアと日本文学(2)、文学批評用語:オリエンタリズム
事後学習:講義内容について図書館や学習支援システム(仮称)等を利用し復習する。
15 事前学修:2週目から14週目までの内容を復習する。 
講義内容:到達目標確認試験(レポートで提出、テーマはLove's Labour's Lost に関してならば何でも自由です。4000字以内、メール可)
事後学習:シェイクスピア劇を観劇し、読書体験と演劇体験の違いを学ぶ。
その他
教科書 William C. Carroll, Love's Labour's Lost:The New Cambridge Shakespeare, Cambridge University Press, 2001
アマゾン等を利用し、第1回目のガイダンスまでに用意して下さい。新刊でなく中古で結構です。
参考書 Alexander Schmidt , Shakespeare Lexicon, 2 vols., Arno Press, 1901, 2 edition
David Crystal & Ben Crystal, Shakespeare's Words A Glossary & Language Companion, Penguin Books, 2002, 1 edition
Oxford English Dictionary CD-ROM Version 3.1, Oxford University Press, 2004, 2 edition
 シェイクスピアに関しては、おびただしい数の参考文献があるため、どの本や論文が良いかを定めるのは困難です。それゆえに、優れた論文集であるShakespeare Survey(1巻~69巻、1948-2016年)のLove's Labour's Lost論を推薦します。必要に応じて資料を配布します。
成績評価の方法及び基準 平常点(40%)、レポート(60%)
オフィスアワー 時間:木曜日、3時限
場所:講師室
教員連絡先:[email protected]

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