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科目名 | 無機応用化学 | ||||
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教員名 | 山村 剛士 | ||||
単位数 | 2 | 学年 | 3 | 開講区分 | 文理学部 |
科目群 | 化学科 | ||||
学期 | 後期 | 履修区分 | 選択必修 |
授業テーマ | 地球の温暖化はこれからの社会、特に皆さんの世代が影響をこうむる重大な問題です。しかも、日本の中央に居ても地方に居ても地域を問わず、同時に世界的な視野を必要とする問題です。皆さんはこれから社会人となるわけですが、あらゆる仕事の場面、日常において地球温暖化問題に直面し、陰に陽に関わってゆくことになるでしょう。私たちにこれから求められるのは、自分の収入を確保しながら、一方で、社会の活力を保ち、子孫に負の遺産を残さず、持続可能な社会を構築することに貢献して行こうする姿勢、様々な自然エネルギーを最大限、しかも、自然と融合し破壊しない範囲で利用する姿勢です。化学は昔からつぶしが効くと言われて来ましたが、あらゆる場面、基礎研究のみならず様々な材料からその応用にまで関わり、その意味で大変重要な学問領域です。本講義では、地球の温暖化に関する最新の科学的理解を紹介し、今後のエネルギー問題を考えます。また、そのためにこれから必要な代表的科学技術を選び、化学が寄与できる領域を皆さんと一緒に考えて行きたいと思います。 |
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授業のねらい・到達目標 | 本授業の狙いの第一は、皆さんが温暖化現象を科学的に理解できるようになることです。そのために、その原因、温暖化ガスの科学について知り、次いで、温暖化が及ぼす海面上昇、異常気象、生物への影響、人間への影等を知ります。また、我々のエネルギー使用の実態(化石燃料、原子力、再生可能エネルギーなど)を学びます。第二の狙いは、こうして温暖化防止の基本を理解した上で、皆さんがその対策を各自生活のあらゆる場面に渡って考えることが出来るようになることです。つまり、炭酸ガス固定と炭酸ガス貯留のような大技術みならず、細かい省エネ技術、クリーン発電技術、そして、地方においてはとりわけ重要になるバイオガス、バイオマス、太陽電池、風力エネルギー等の再生可能エネルギーの基本と利用の仕方を理解し、それを材料の選択から水素エネルギー社会構築の要素技術まであらゆる場面に広がって応用出来るようにすることです。 |
授業の方法 | 毎回、スライドを用いて授業をします。事前に資料を配ります(量が多い場合は、ウェッブ上にアップロードし、これをダウンロードして、印刷したものを用意して授業に参加して下さい。ブラックボード登録)。また、板書も行います。スライドを見るだけの受け身の姿勢は何も残りませんから気をつけて下さい。ただの時間つぶし、出席点稼ぎは排除します。講義は、知的好奇心を持って聞き、自分で考え、積極的に質問して下さい。 |
履修条件 | 3年次の化学系学生が身につけるべき無機、有機、物理化学に関する基本的素養があること。 |
事前学修・事後学修,授業計画コメント | 教科書は使用しません。日常、新聞等を通して温暖化についての一般的知識を蓄えるよう心掛けて下さい。最近の新聞には科学技術欄にしばしば地球温暖化の記事が出て来ますし、テレビ等でも頻繁に取り上げられます。現代人の必須の素養になりつつあります。また、出来れば簡単なものでも良いから成書を読み知識を深めておいてください。講義後半では、化学技術に関するところで、熱力学や無機化学、有機化学、生化学などの話が頻繁に出ます。これまでの基礎をおさらいしておいて下さい。光化学については、基礎を講義をします。 |
授業計画 | |
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1 | 第一部 地球温暖化の科学.序 地球温暖化は事実か? (1)温室効果ガスとは、温暖化のメカニズム |
2 | (2)炭素循環(大気、海洋、大陸)、(3)実際の地表温度の推移、(4)過去の温度をどのように調べるか?(5)ミランコビッチサイクル、 |
3 | (6) 人間活動の影響、(7) 温暖化と人間活動原因説に対する懐疑と反論、(8)メタンハイドレートの危険性、(9)結論 |
4 | 第二部 温暖化が人間に及ぼす影響 (1)海面上昇による国土縮小 |
5 | (2)異常気象、(3)農業の衰退・変容、(4)生物多様性の縮小・変容、(5)健康への影響 |
6 | 第三部 エネルギー (1)化石燃料(石炭、ピークオイル、オイルシェール、メタンハイドレート)、(2)原発、(3)自然エネルギー(再生可能エネルギー) |
7 | 第四部 温暖化防止 (1)緑色植物と炭酸ガス固定、(2)アマゾン・ボルネオ・ニューギニアと日本、(3)アグリフォレストリーの重要性 |
8 | (4)再生可能エネルギー (A)バイオマス、バイオガス・バイオリキッド、バイオソリッド、し尿・生ごみ利用、日本のし尿処理の後進性、バイオマス利用の原則(発電しないこと)(B)自然エネルギー(風力、地熱、波力)、(C)太陽電池、(4)科学技術 省エネ・節エネ(燃料電池など) |
9 | (5)クリーンコール技術、(5)炭酸ガス貯留(手法と問題点)、(6)水素社会、現在の水素生産技術の問題点、(7)エネルギー変換によるエネルギーロス |
10 | 第五部 化学の寄与 (1)基本的考え方、熱力学(拡散とエントロピー)、アップコンバージョンとは(触媒、光化学、電池) |
11 | (2)太陽電池の仕組み、(3)太陽エネルギーの基礎、(4)光合成とは |
12 | (5)光化学の基礎、光の吸収と励起、エネルギー移動、電子移動、(6)エネルギー移動膜の農業利用例 |
13 | (7)酸素発生の化学、水素発生の化学、 |
14 | (9)人工光合成、有機ハイドライド、質の低い熱源の利用 |
15 | 期末考査に替えるディスカッションとそのレポート提出 |
その他 | |
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成績評価の方法及び基準 | レポート(50%)、授業参画度(50%) 成績評価は出席点とレポート点の合計で行う。レポートは期末考査に変えてグループディスカッションを行い、ディスカッション内容と自分の考えを各自レポートする。 |
オフィスアワー | 質問その他は自宅にメールでお願いします。メールアドレスは授業中に板書する。旅行中以外は原則として対応します。 |